妊娠って奇跡的なことなの?妊娠の確率ってどれくらい?

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妊娠したい人にとって、その可能性や確率はとても気になるところですよね。実際、妊娠や出産にたどりつくまでにはさまざまな条件が複雑に絡み合っています。妊娠や出産が「奇跡」ともいわれる由縁もここにあります。妊娠と出産の確率やメカニズムをふまえて、妊娠の可能性を探ってみましょう。

卵子の寿命はどれくらい?

妊娠の成立は卵子と精子の受精から始まります。

卵子は、1周期に1回、多くの場合は1個が排卵されます。卵子の寿命は排卵から約24~48時間とされています。つまり1日~2日間です。さらにその期間においても、受精が可能な時間は排卵からたった6~8時間程度。この時間内に受精が成立しなければ、その月経周期での妊娠の可能性はなくなってしまいます。

ちなみに不妊治療などでよく話題となる「卵子の老化」については、数の減少と質の低下が問題です。女性は卵子のもととなる細胞を約200~300万個持った状態で生まれてきます。しかし、月経が始まる思春期の頃には約20~30万個に減少しています。その後も1回の月経周期に1個の卵子を排卵するために約1,000個の卵子の元が淘汰され、減少していくのです。

卵子の数は加齢とともに減少し質も低下するため、染色体異常などが起こりやすくなります。染色体異常のある卵子が受精すると流産の可能性が高くなるので、卵子の老化は妊娠と出産に大きな影響を及ぼすといえるでしょう。卵子の受精可能時間の短さと数の減少、質の低下の問題が、妊娠の可能性の鍵だといえそうです。

精子の寿命はどれくらい?

精子の寿命には幅があり、平均すると2~3日、長くても1週間といわれています。精子の場合には射精直後には受精能力はなく、子宮へ向かって進みながら受精能力を獲得することがわかっています。
受精可能となるのは射精後約5~6時間後です。そして受精能力が維持されるのは約36時間程度。受精可能な時間内に卵子と出会うことが、受精のために必須となります。

ちなみに、卵子には女性が生まれたときから数に限りがありましたが、精子にはそれがありません。精巣の機能が衰えない限り、新たな精子を作り続けることができます。
遺伝的な体質や生活習慣、精神的なストレスなどによって精巣の機能が衰えると、新たな精子を作ることができなくなったり、作られる数が極端に少なくなってしまったりすることもあります。

1回の射精に含まれる数千万から数億個の精子のうち、無事に受精することができるのはたった1個という狭き門。妊娠の可能性の話のなかでは、この数字が最も天文学的かもしれませんね。

受精すれば妊娠ではない?!

受精から妊娠にいたる可能性は、排卵と性交のタイミングによるところが大きいです。排卵日前後の性交により受精する確率は、約80%といわれています。ただし、卵子の質や精子の数などの要素もあり、正確なデータは出ていないようです。

また、受精=妊娠ではありません。受精の確率を高くするための条件を揃えて無事に受精しても、「着床」をしなければ、妊娠にはいたらないのです。

着床率を上げるためには?こちらのページに。

妊娠する確率ってどれくらいなの?

受精は妊娠の成立ではありません。受精卵が子宮へ着床することで、妊娠の成立となります。

卵管内で受精した受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら3~4日間かけて子宮へと移動します。さらに子宮内膜へ着床するのは受精から約8日後のこと。しかし、ここで受精卵側に遺伝子異常や染色体異常があると着床できないことも多いのです。実際に着床して妊娠成立となるのは、受精卵のうち約20%ともいわれています。

卵子の質は妊娠の可能性に大きく影響することがわかります。排卵日に避妊せずに性行為をした場合、25歳での妊娠可能性は約30%ですが、年齢を重ねるに従い染色体異常が増えることなどにより可能性は徐々に低下します。35歳で18%、40歳で5%、45歳では1%とも。

「妊娠しない」という現象には、質の良い卵子が育たない、排卵しても受精しない、受精しても卵割(受精卵の初期の細胞分裂)しない、子宮にたどり着いても着床しない、といったもろもろの場合が含まれます。

妊娠出来たのち、無事に出産できる確率は?

妊娠は着床をもって成立しますが、必ずしも妊娠の成立=出産とはならないのも現実です。特に着床後数週間の妊娠初期には「流産」も起こりやすいです。正常な妊娠の成立が確認されたケースのうち、初期流産が起きる確率は約15%。さらに早産などの可能性も約5%あるため、妊娠の成立から無事に正期産までたどりつく可能性は、約80%となっています。

特に、早期の流産は染色体異常に起因することが多く、決して珍しいことでもはありません。着床が確認された妊婦さんのうち8〜15%が流産を経験するといわれています。特に妊娠12週までの流産が多く、流産全体の98%を占めています。

最後に、、、

妊娠や出産は「奇跡」とよく言われます。こうして実際に数字でみてみると、妊娠や出産が奇跡であることをますます実感しますね。正常妊娠が成立し、無事出産できることの裏には、今回紹介した「奇跡的な可能性」が全て起こったのだと考えると、妊娠や出産、そして生まれてきた新しい命の存在に心から感謝したくなりますね。