YouTube本社で銃撃、3人負傷 女性容疑者は死亡
米カリフォルニア州北部サンブルーノにある動画投稿サイトYouTubeの本社で3日午後、発砲事件があった。警察は、女性が3人を銃で負傷させた後、自殺したようだと発表した。ほかに32歳と27歳の女性が撃たれて負傷したという。
サンブルーノ警察のエド・バーベリーニ本部長は、午後12時48分(日本時間4日午前4時48分)に警官たちが現場に到着したところ、「大勢の従業員が建物から逃げ出している、非常に混乱した状態」だったと話した。
警察はまずYouTube本社ビルの前方で、撃たれた負傷者を発見した。さらに数分後、自分に向けて発砲したとみられる女性を発見したという。
警察によると、女性は拳銃を所持していた。身元はまだ明らかにされていない。
後にさらに銃で撃たれた負傷者2人が、近隣の店舗で見つかったという。
負傷した3人は、ザッカーバーグ・サンフランシスコ総合病院に救急搬送された。当局によると、32歳女性は重傷だが、27歳女性の容体は安定している。
バーベリーニ本部長によると、さらに4人目の人が、逃げようとする際に足首をけがして病院に運ばれた。
現場近くのファストフード店従業員は地元局KTVUに対して、脚に銃創を負った若い女性を手当てしたと話した。バンジー紐を止血帯の代わりにして、救急隊の到着を待ったという。
YouTube本社には、約1700人の従業員がいる。米グーグル傘下の同社は、サンブルーノ周辺では最も大勢を雇用している。
地元テレビ局が伝えた現場映像には、多くの従業員が両手を挙げて本社ビルを出てくる様子が映っていた。警察が1人1人の所持品などを確認するなか、従業員が列を作る様子も見られた。
ヘリコプターによる空撮映像では、ガラス扉の中心部が割れて、破片が外の地面に散らばっていた。
YouTubeのクリス・デイル広報担当は、事件への警察対応に感謝すると共に、「今日はYouTubeのコミュニティー全体と従業員全員が、この犯罪の被害者だったような感じがする。今回の銃撃で被害に遭った全員に、共感の気持ちを寄せている」とコメントした。
「最初は地震かと」
事件発生中には、数人のYouTube関係者が状況をツイートしていた。YouTubeプロダクトマネージャーのトッド・シャーマン氏はツイッターで、建物内の人たちが走って逃げようとする様子を伝えた。さらに、「自分たちは会議中で、床が揺れたので大勢が走っているのが聞こえた。最初は地震かと思った」とツイートした。
従業員のバディム・ラブルシック氏は、他の従業員と共に部屋に立てこもっているとツイート。「YouTube本社に銃撃犯がいる真っ最中。机に向かっていたら、銃声が聞こえて、大勢が走っているのが見えた。今は同僚たちと部屋に立てこもっている」と書いた。同氏は後に、自分は無事避難したと補足した。
ツイッター社の公式アカウントは、事件について偽情報がツイートされていることに懸念を示し、「この悲劇について偽情報で他人をだまそうとする人たちについて、承知しています。私たちはその動きを追跡し、規約違反のあらゆる行為について対応しています」と書いた。
ドナルド・トランプ米大統領は、「たった今、カリフォルニア州サンブルーノのYouTube本社であった銃撃について報告を受けた」とツイート。「関係者全員に思いと祈りを寄せている。いま現場にいる素晴らしい警察と救急関係者に感謝する」と書いた。
(英語記事 YouTube shooting: Three shot at California HQ, female suspect dead)