北海道増毛町の國稀という日本酒を飲みながら思いました。「飲むことを正当化する健康的な理由が欲しい!」ありました。日本酒は適量飲むならば健康にとても良いんです!それにしても、最北の酒蔵の味・・・美味しいです!
そもそも日本酒は、
- 米(蒸米)
- 米麹
- 水
を原料として、発酵させてこしたものです。
精米~蒸し米、麹造り、酒母造り、もろみ造り、発酵、搾り~ろ過、火入れ~貯蔵という過程を経て造られます。
日本酒には、
- 純米酒
- 大吟醸
- 純米吟醸
などさまざまな名称がありますが、これは日本酒を製法 (精米歩合 、麹歩合、アルコール添加量など ) によって区分したものです。
昔は「級別」 といって、特級、一級、二級、と分類していましたが、今では酒の多様化により、「特定名称」といって大吟醸酒、純米大吟醸酒、吟醸酒、純米吟醸酒、本醸造酒、純米酒、と分けられています。そんなに種類があったんですね。
麹菌の力を借りて米のデンプンを糖化し、その糖が酵母によってアルコールに変化する」という工程は世界でも類を見ないほど複雑で、日本に伝わる伝統芸ともいえます。
お米と水から複雑な発酵を重ねて造られた日本酒には、お米の本来持つ成分に加え、発酵で生まれる様々なパワーが加わり、100種類以上の有効成分が含まれているとのこと。
日本酒を飲んだり、日本酒の美容成分をスキンケアに用いることで手軽に美容効果を得ることができてしまうんです!
一体どのような効果があるのか、さっそくご紹介していきたいと思います。
「コウジ酸」は、麹菌の発酵過程で生みだされる発酵代謝物質です。
コウジ酸の入った化粧水などを使いスキンケアすることで、
- シミ
- シワ
- たるみ
の防止といったアンチエイジング効果を発揮してくれます。
コウジ酸には、シミのもととなるメラニンをつくる酵素の働きを抑えることから、塗り薬として、肝斑や日光黒子といったシミ治療に取り入れられました。
紫外線のダメージは、シワやたるみの原因にもなります。
シミ・たるみのきっかけとなるのが、紫外線を浴びた肌にできる炎症から生まれる活性酸素。活性酸素は肌の弾力を守るコラーゲンの減少をおこしてしまいます。
コウジ酸には、炎症を防いで活性酸素の産生を抑える力があることから、美白をつくりながらお肌のハリや弾力を守ってくれる効果があるんです!
日本酒には、角質除去作用のある「フルーツ酸」(正式にはアルファヒドロキシ酸・AHA)が含まれています。
フルーツ酸の成分が入った石鹸や洗顔料を使うことで、古くなった角質を溶かすピーリング効果、つまり古い角質層を取り除いてくれる作用があります。
その結果、皮膚のターンオーバーの乱れが正常になり、全身のざらつきやゴワつき、くすみなどを一掃し、生まれたてのようなすべすべ肌をもたらしてくれます。
また、保湿成分が浸透しやすくなることで、乾燥肌の改善も期待できます。
フルーツ酸は、その名の通りフルーツに多く含まれる酸なのでこのように呼ばれています。つまり自然界に存在する酸であり、肌にとって安全かつ栄養にもなるとっても優秀な美容成分なんです!
さらに日本酒を飲むと、「肌の潤いはアミノ酸で決まる」とも言われるくらい、肌にとってなくてはならない成分「アミノ酸」を摂ることができます。
日本酒の成分ラベルをよく見ると、「アミノ酸度」という言葉が記載されています。これは日本酒に含まれるアミノ酸の量を表した数値のことです。
日本酒に含まれている約20種類のアミノ酸は
- 甘味
- 旨味
- 酸味
- 苦味
などをもっていて、味を決める大切な構成要素になっています。
1.0~2.0の間の値が多く、アミノ酸度が適度にある日本酒は、コクのある味わいになるそうです。日本酒の味わいにも深く影響しているアミノ酸は、私たちの皮膚の一番外にある角質層のうるおいを保つ重要な役割を果たしています。
アミノ酸の
- プロリン
- アルギニン
という成分はコラーゲンの主原料といわれています。
人間は20歳頃からコラーゲンの生成が衰え、肌の老化が始まりますが、プロリン・アルギニンを摂取することで、コラーゲンが作られ肌が再生されるのです!
更に、この2種類のアミノ酸にも、しみ・そばかすの原因となるメラニンの過剰生成を押さえる働きもあるそうです。
また、日本酒に含まれる
- リジン
- プロリン
- アラニン
- アルギニン
というアミノ酸は脂肪燃焼アミノ酸として、痩せやすい身体をつくるダイエットアミノ酸です。脂肪分解酵素のリパーゼの働きを活性化することで脂肪の燃焼を促し、分解されて血中に放出された脂肪分を効率よく燃焼するのを助けてくれます。
アミノ酸にはその他にも、
- 身体の疲労回復&体力アップ
- 免疫力アップ
- 脳の疲労回復&活性化、集中力アップ
など身体にさまざまな効果をもたらしてくれています!
身体にいいお酒といえばワインを想像する方も多いと思いますが、アミノ酸の量はワインの10~20倍ともいわれています。
アルコール飲料の多くは体を冷やしてしまいますが、日本酒には体温を上げたまま長時間持続してくれる効果があります。
一般的に、
- 不安やイライラ
- 睡眠不足
などの強いストレスが加わると、血管が収縮し、血流が悪くなってしまうといわれています。日本酒に多く含まれる「アデノシン」という物質には、ストレスで収縮した血管を拡張する作用があることから、血行促進効果があり、
- 冷え性改善
- リラックス効果
- 肩こり解消
などをもたらしてくれます。
また、皮膚の表面の血液循環がよくなると、血液中の栄養素を身体のすみずみまでいきわたらせることができるので、自然と肌の輝きが増し、ツヤのある肌へと変わります。
この他にも、日本酒には
- がん・心臓疾患などの病気の抑制
- アレルギー抑制
- うつ病予防
などにも効果があることが分かってきています。
様々な実験から、お酒をまったく飲まない人よりも、適量を飲む人のほうが脳梗塞や心筋梗塞など動脈硬化性の心臓病のリスクが低くなり、長生きすることも明らかになっています。これは、毎日適量の日本酒を飲むと、体内に蓄積された古いコレステロールを回収し、肝臓に送ることで動脈硬化を予防する善玉コレステロールが増えるからです。
ただし、つい飲みすぎてしまうと身体に負担がかかってしまい、肝障害のリスクになります。日本人の場合、日本酒の適量は1日1~2合といわれています。もちろん体質によっても上下します。適量を楽しむことで、その効果をものにしていきたいですね!
もともと日本酒の原材料は米と麹と水、そして自然の力を使ったもの。お米は普段私たちが主食にしているもので、和食の基本となる醤油や味噌などの調味料は、麹なくして成り立たないもの。日本酒が日本人の肌に合うのは自然なことかもしれないですね。