企業が学生(=お子さん)に求める能力とは?
PARENT2018/03/28あなたは、お子さんとどのくらいコミュニケーションがとれていますか?その量が就職面接での結果を左右する一要因だとしたら…。現在の就職事情に精通する人財育成コンサルタントから親御さんへのアドバイス。今回のテーマは『お子さんのコミュ力は親が鍛える』です。
こんにちは。人財育成コンサルタントの吉田竜一です。
今回は、前回重要性を指摘したコミュニケーション能力について掘り下げます。
人間のコミュニケーションは「受信&理解」と「発信」の2つタスクを繰り返すことで、情報のやりとりを行います。
しかし、就職活動対策においては「発信」ばかりが重視されていて、「受信&理解」に関しては軽視されているのが現状です。
対策本を開けば、
「オンリーワンの志望動機を!」
「リーダーとして集団を率いた経験を語れ!」
「趣味と志望業界をリンクさせろ!」
といったことばかりが書かれていて、企業側面接官が何を訊いているのか、何を知りたがっているのかを考える「受信&理解」については放置されていますよね。
「受信&理解」がおざなりになると、「この人、こちらの質問の意図を分かってないな…」という印象を面接官に持たれてしまい、マイナス評価となります。
具体例を挙げます。
例えば、「趣味は何ですか?」と訊かれたとします。
「私の趣味はバスケットボールです。しかし、大会に向けて本気で練習し、本気で勝ちに行くバスケサークルが学内に無かったので、自分が主体性を発揮してサークルを新設しました。この経験を活かして御社でも…」
と無理矢理リーダーとしての経験や、自己PRに繋げて語り始める人がいます。
趣味を聞かれる場合、相手はどんな答えを欲しがっているのでしょう?
①人柄を知るキッカケが欲しい
②趣味と志望動機に何か繋がりはあるのか確認したい
③好きな事にどれだけエネルギッシュになれるかが知りたい
といったところでしょうか。
もしくは、
④緊張している様子だったので、気軽に答えられる質問で空気を和ませたかった
という意図も考えられます。
③の意図であるならば、上記の答えもあながち間違いではありません。しかし、②の場合ならハズレです。
④の場合は、用意していた模範解答を読み上げるのはかなりの悪手です。
つまり、相手がどんな情報や反応を欲しているかを「受信&理解」した上で、それに則した「発信」をしなければ、まともなコミュニケーションは成立しないのです。
就活面接の1次2次面接担当者は、若くとも30代前半くらいですし、最終面接を担当する部長級・役員級となると、お子さんの年齢の倍以上の方々ばかりです。
そのため、日常的に上の世代と会話をする機会の少ない学生ほど、会話自体に余裕が無く、会話のキャッチボールが成立しません。したがって、「言いたいことだけ言ってきた…」という事態に陥りやすいのです。
逆に、日常的に上の世代と交流があり、「年配者は若者のどんな点を理解しにくいのか」「どう説明すれば伝わるのか」と試行錯誤している学生は心理的に余裕があります。相手の反応を見つつ、スムーズな会話をすることができ、好印象を残せることが多いです。
「大人」世代との会話量と面接におけるコミュニケーション能力は間違いなく比例します。
そして、お子さんの最も身近にいる「大人」世代は皆さん(親)です。
ぜひ、お子さんのコミュニケーション能力の向上のためにも、そして、より良い家族関係を築くためにも、お子さんとの日々の会話を大事にしてください。