長野ふん害に地元憤慨 松本駅周辺でムクドリ大群飛来
松本市のJR松本駅前周辺で、日没後に大量に飛来するムクドリのふんが歩道などを白く汚し、悪臭を発して周辺店舗や通行人を困らせている。駅前のふん害は長年の課題とされ、観光客が多く訪れる駅前での被害に松本のイメージ悪化を懸念する声が上がるが、有効な解決策がないのが現状だ。 市や地元によると、ムクドリは午後五~八時頃に、JR松本駅お城口側のビル看板の裏や電線上などに姿を現す。 三~五月頃のピーク時には、少なくとも数千羽単位のムクドリが集まるといい、市の担当者は「繁殖期に向けて相手探しをしているのではないか」と推測する。 「駅は松本の玄関口。松本のイメージに良くない…」。駅前の店舗で働く男性はこぼす。「ふんが歩道に落ちる『ピチャピチャ』という音もする」ほどで、臭いも気になる。天気のいい日に歩道にこびり付いたふんをデッキブラシで洗い流しているが、「観光都市松本を目指すのであれば、行政の対策も必要では」と話す。 三月下旬には、中部電力松本営業所が、駅前周辺にある電柱上に設置された変圧器の端子部分にふんが付着しているのを発見。変圧器交換作業のため、夜間約三十分間にわたって周辺の街灯などを一時停電にした。同営業所の担当者は「管内では、近年こういった事例はなかった」という。 市には年に数件、地元や通行人から駅前周辺でのふんの落下や悪臭、景観悪化を訴える声が寄せられている。市によると、本来市街地の鳥害を担当する部署はなく、農作物への鳥害などを担当する耕地林務課がこの問題に対応している。 猟銃が使えない市街地ではムクドリが嫌がる音を流したり、苦手な臭いとされる木酢液を容器に入れて街路樹にぶら下げたりするなどの方法が対策として挙げられるが、店舗や通行人への影響を考慮すると実施が難しい面もある。 市公設地方卸売市場で行ったタカによるハトの追い払いでは一定の効果を得たが、タカがムクドリを餌として認識するかどうかや、広範囲な駅前での追い払いは効果が未知数で、実施に踏み切れないのが現状という。 市の担当者は「できるものならなんとかしたい…」と頭を抱えるが、「追い払うだけで良いかというと、追い払った先で別の被害が出る」との悩みも。「猟銃が使える郊外農耕地などで駆除し根本的に数を減らす地道な活動しかない」と話している。 (水田百合子) 今、あなたにオススメ
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