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【千葉】

非核の叫び 若者に託す「ノーモア・ヒバクシャ」 船橋・岩佐さん「訴え続けて」

故山口仙二さんの演説を振り返る岩佐幹三さん=1月、船橋市で

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 ノーベル平和賞受賞団体「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長(35)が一月、被爆地の長崎を訪問した。基調講演で発した言葉「ノーモア・ヒバクシャ」は、三十六年前に被爆者として初めて国連本部で演説した故山口仙二さん=二〇一三年に八十二歳で死去=が叫んだものだった。山口さんと共に歩んだ船橋市の岩佐幹三さん(89)は、当時を思い起こしつつ明日の平和を目指す若者らに期待する。

 「ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ!」。一九八二年六月、第二回の国連軍縮特別総会。長崎原爆に遭い日本の反核運動を引っ張った山口さんは、顔や体にケロイドが残る自身の写真を見せ、声を振り絞った。同行した岩佐さんは、会場でその様子を目に焼き付けた。「仙ちゃんは身をもって体験を語った。堂々とした(核保有国への)警告だった」

 広島で被爆した岩佐さんは当時、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の活動をけん引。山口さんの草稿に「具体的な体験を盛り込んだらどうか」などと提案しながら議論を積み重ね、約十分間の演説原稿を仕上げた。

 フィンさんは長崎市での講演で「痛みに満ちた経験と思い出を、繰り返し語り続けた。被爆者なくして核兵器禁止条約は生まれなかった」と、長年の努力をたたえた。岩佐さんは「仙ちゃんの思いを、若い人に受け止めてもらえた気がした」と感極まった。

 米トランプ政権は、核兵器の使用条件を緩めるとともに「使える核兵器」と称される小型核の開発を盛り込んだ、新たな戦略指針を公表。北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威にさらされる日本政府は歓迎する。一方で米朝首脳会談が五月末までに開かれる運びとなったが、実現しても非核化につながるかは不透明だ。

 「核保有国や核の傘の下にある国の人々へ、訴え続けてほしい。これからが勝負だ」。岩佐さんは、世界の若者に後を託している。

 

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