とにかく柔らかかった。顔に跡がつくこともない。そして、仮想現実(VR)の見た感じは上々だ。
それが、「Oculus Go」の第一印象だった。Facebookから間もなく登場する次の一手である。200ドルを切る価格と、スマートフォン不要という手軽さで、VR未体験の人々を引き込もうとしている。199ドル(約2万1000円)という価格で、単体で動くVRヘッドセットが手に入るのだ。その意味で、これはOculusとFacebookが初めて送り出す、真のスタンドアロン型ハードウェアだと言える。
Oculusの親会社であるFacebookはここのところ、ユーザーデータの流出という問題を抱え、苦境に立たされている。だが、Facebookと、とりわけOculusは仮想現実の世界で別の難題にも挑む。VR技術をさらに進化させ、人々に本当に使いたい気にさせるということだ。
そう考えると、Oculus Goはエントリーレベルのハードルを下げるだけのものではないと、にわかに気づかされる。ゲームとアプリは、数年前に登場したサムスンのスマートフォン併用型VRアクセサリ「Gear VR」と比べても遜色がなく、筆者には差が分からなかった。だが、ヘッドセットのデザインはずっと洗練されている。小型化して柔らかくなり、完成度が高くすっきりとしたデザインは、Gear VRより多くの点で優れている。むしろGoogleの「Daydream View」を思わせるが、それでいてVRハードウェアとディスプレイがすべて一体化しているのだ。
Oculus Goでは、筆者もまだ数本のゲームしかプレイしていない。そのひとつが「カタンの開拓者たち(Settlers of Catan)」だ。人気ボードゲームの新しいVR版で、「Oculus Rift」、Gear VR、Oculus Goのクロスプラットフォームに対応する。Oculus Goへの対応は米国時間3月21日に突然発表されたのだが、素晴らしいものだった。他のプレーヤーはアバターとして表示され、眼前の仮想ボード上に道や町が出現する。テレビゲーム版のボードゲームならVRは不要だが、これは何年も前の「Xbox 360」版以来、筆者が体験した最高のバージョンだ(今回のVR版は、このXbox 360版がベースになっている。開発会社が以前のコードを買い取った)。
もうひとつの「Anshar Online」は、宇宙を飛び回るシューティングゲームで、顔の向きによって機体を操縦する。グラフィックは滑らかで、操作の反応も良かった。もっと良いVRゲームも体験したことはあるが、Oculus Goの性能を見せるのにふさわしい、素晴らしい出来だった。
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