ISS、17年ものの老朽プリンタを特別仕様HPインクジェットに交換へ。SpaceX補給船でISSへ打上げ
いま、ISSへ向かっています
国際宇宙ステーション(ISS)で使われているプリンターは、すでに17年ものあいだ使われ続けており、そろそろ寿命が近づいてきました。日本時間今朝5時すぎにSpaceXのFalcon 9ロケットで打ち上げられたDragon補給船には、交換用の新品プリンター2台が積み込まれ、現在はISSの軌道へと向かっている最中。到着は日本時間で4月4日20時ごろの予定です。
ISSで使われるプリンターは地上のものとは少々仕様が異なります。たとえば用紙フィーダーや廃止トレイは印刷用紙がそこらじゅうに漂ってしまわないようホールドする機構が必要になり、廃インクトレイもインクが重力で落下することがないため工夫が必要です。他にもいくつか指定の要件があり、なかでも重要なポイントとしてプリンターそのものを構成する樹脂素材が難燃性でなければなりません。
そこでプリンター供給を行うHPでは、耐久性の高いインクジェットプリンター「OfficeJet 5740」をベースに、難燃性プラスチックを3Dプリントした外装を備えるほか、無重力下でもきちんと使用できるよう各部を改造した「Envy ISS」を製作しました。
しかしいままでプリンターは17年ものの老朽化したプリンターしかなかったため、おそらく今頃はクルーがDragon補給船に積み込まれた新しいプリンターの到着を、まだかまだかと待ち構えていることでしょう。
ちなみに、ISSへ向かっているDragon補給船には、GMとNASAが共同開発し、2011年にスペースシャトルで送り届けられたロボットRobonaut 2を回収するという任務もあります。Robonaut 2もどうやら内部回路がどこかで故障しており、修理したあとで再びISSへ向かう予定だそうです。