この記事は日経 xTECH登録会員限定ですが、2018年4月4日20時まではどなたでもご覧いただけます。
交通関連のシステム開発を手掛けるトラフィックブレイン(東京・千代田)は2018年4月3日、人工知能(AI)を活用したバスダイヤ作成支援システム「Dia Brain(ダイヤブレイン)」を開発したと発表した。第1弾として、岡山市を地盤とするバス会社の両備グループのバス路線に導入する。
両備グループのバス路線「岡山西大寺線」におけるバス運行実績データと、「Dia Brain(ダイヤブレイン)」による最適化のイメージ
トラフィックブレインは2017年12月から、両備グループや、東京大学生産技術研究所の伊藤昌毅助教と共同でDia Brainの開発を進めてきた。バスロケーションシステムで取得・蓄積したバスの運行実績データを基に、遅延発生箇所を特定。実態を反映し遅延を最小限に抑えられるダイヤを自動作成する。
これまでバスのダイヤ作成作業はベテラン担当者の経験と勘に頼っていた。岡山市内では平日100往復以上走る路線もある。多数の便について時間帯別の渋滞度合いや、時間調整可能なバス停の位置などの要素を勘案しながらダイヤを決定する必要があった。こうした複雑な作業をAIで自動化し、運行実績データに基づいた最適なダイヤを作成する。
試行時の遅延改善効果
両備グループでは2018年2月に岡山市内の3路線でDia Brainを活用したダイヤ改正を試行。ラッシュ時の遅延時間を平均8.6分から4.4分へと改善できた。この成果を基に、4月9日には基幹路線である「岡山西大寺線」でDia Brainを適用したダイヤ改正を実施する予定である。