石屋製菓(札幌市)は札幌市内でバニラの試験栽培を始めた。同社は菓子の原材料に道産食材を積極的に使っているが、洋菓子に欠かせないバニラは輸入品に頼っている状況。価格も高騰していることから自社栽培に踏み切る。2020年には量産体制を整え「道産バニラ」の国内外への販売も目指す。
輸入バニラは天候不順で主要産地であるマダガスカルの生産量が減っているほか、中国での消費拡大もあり、価格が過去5年で約7倍と高騰しているという。道産食材を積極的に使用していることもあり、道内でのバニラ栽培を模索していた。北海道銀行の協力を得て、寒冷地での農業設備の技術を持つ設計会社のホッコウ(札幌市)と連携することを決めた。
17年10月から、ホッコウ関連の農業生産法人アド・ワン・ファーム(同)の丘珠農場で、海外などから集めた千株を超す苗の試験栽培を始めた。19年にはバニラビーンズを収穫し、20年から本格的に栽培を始める予定だ。