2018-04-03

田舎にすんでたときの方がセンスよかった気がするもんだい

いくえみ綾という少女漫画家がいる。

あの人の怖いところは、80年代からずーっと少女漫画を描いているどベテランなのに、

キャラクターの服も、高校生の会話のノリも、「かっこいい男」像もほとんど古くならないところだ。

何をいつ書いてもちゃんと「今っぽい」。

よい意味ミーハーなのだと思う。

彼女デビュー以来、今もずっと北海道に住んでいるのだという。

並べて語るのもおこがましいが、私も少しものをつくって売ったりする。

田舎実家にいたとき東京に移り住んだ今もやっていることなのだが、

しょうじき、東京に出てくる前の方が「今っぽい」ものを作れていた気がする。

もちろん加齢もあるだろうが。

なんというのか、地方にすんでいたときの方が、

自分に関わりのない流行やどうでもいい会話などが入ってきやすかったような気がするのだ。

どんな服がどんな層に流行っているか

高校生はどんなことをしゃべって笑うのか、

そしてテレビで何が流行っているのか。

東京は人がいすぎてものありすぎて、

自分と同質のものと人」だけで自分生活を構築してしまえる。

テレビはなんだか薄味でつまらなく感じて、情報源としては使わなくなった。

テレビ流行のすべてとは思わないが、「自分にとってどうでもいい情報」の流入元がなくなったせいで

気がついたらだんだん「今っぽさ」からは離れてしまっている気がする。

これは地方出身者ならばわかると思うのだが、

地方東京では、町を歩いているとき情報密度が段違いだ。

(実家田んぼと空しかないので)。

それなのに、地方にいたときのほうがまんべんなく情報を手に入れられていて、

東京に移り住んでから自分の好きな情報だけしか知らないのだから

なんだか難しい話である

 
 
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