小野寺五典防衛相は3日の閣議後の記者会見で、存在しないと説明してきた陸上自衛隊のイラク派遣の日報が見つかった問題で、小野寺氏が把握したのは3月31日だったと明らかにした。陸自内で最初に確認してから約2カ月半が経過しており、小野寺氏は「調査をする中で、どのような経緯だったか確認したい」と述べた。
小野寺氏は安倍晋三首相に4月2日に報告した際、首相から「しっかり精査し、つまびらかに経過、情報を公表するように」との指示があったと語った。
日報はまず陸自研究本部で見つけ1月12日に陸上幕僚監部総務課に報告。陸幕衛生部は1月26日に発見し、同31日に陸幕総務課に報告した。陸幕は統合幕僚監部に2月27日に伝えた。小野寺氏は「イラクだけではなく様々な活動を集積する中で解析に時間がかかった」と説明した。統幕から小野寺氏への報告まで1カ月かかったことについては、陸幕や統幕で文書の探索漏れなどの確認作業をしていたためだと説明した。
小野寺氏は「昨年の南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題の再発防止策の一環で明らかになった」と説明。隠蔽を否定した。
野党は国会で経緯を追及する構えだ。希望の党の泉健太国会対策委員長は3日午前、昨年2月に「(日報を)見つけることはできなかった」と国会で答弁した稲田朋美元防衛相を参考人招致するよう求める考えを示した。国会内で記者団に語った。立憲民主党、希望の党など野党6党は同日午後に防衛省の担当者を呼び経緯を聴取する方針だ。