株式会社CAMPFIREは、株式会社サーチフィールドが運営する地域特化型クラウドファンディングサービス「FAAVO(ファーボ)」を事業譲受し、「FAAVO」と「CAMPFIRE × LOCAL」2つのサービスを統合し、地域特化型クラウドファンディングサービスとして日本最大となる「FAAVO by CAMPFIRE(ファーボバイキャンプファイヤー)」を、2018年5月目処に提供を開始致します。
「FAAVO by CAMPFIRE」開始に寄せて、CAMPFIRE 代表・家入一真、「FAAVO」事業責任者・齋藤隆太よりコメントでございます。
株式会社CAMPFIRE 代表取締役社長:家入一真
僕たちは2年前の2016年3月に、”地域”に特化したクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE × LOCAL」をリリースしました。その時に発信したメッセージは次のようなものです。
“地域に足をつけて生きる方々の、個々の「小さな物語」の集積こそが、地方創生の本質なのではないか。本当に大事なものは、実はすぐそばにあるのではないか。「小さな物語」を僕らはたくさん作っていきたい。”
実は僕は「地方創生」という言葉があまり好きではありません。なぜならその言葉には、においを感じないからです。どこかの地域でうまくいった事例をコピーアンドペーストして、また別の地域に適用しようとする「システム」のように感じます。
ここ数年、僕は日本の様々な地域を回り、地に足をつけて活動をされる方々、地域で踏ん張る方々とお話ししてきました。みなさん、「ここでしか見られない景色」「ここでしか吸えない空気」その小さなひとつひとつを大事にしながら、「この地域で自分たちはどう生きるのか」を模索しながら活動していました。
そんなふうに、本当に必要なものを自分たちで探して、創り、解決する方々をサポートしたい。お仕着せの、上からの「地方創生」ではなくて、もっと実用的で、温もりを感じる、身近なしくみが作れないかなと思いました。
今では、北は北海道、南は沖縄まで68の地域にパートナーが生まれ、CAMPFIREを通じて地域の様々な挑戦が始まっています。この動きをもっともっと活性化させていきたい。そんな中〈FAAVO〉の皆さんとディスカッションをする機会を得て、お互い共鳴する部分が非常に多い事を知りました。
〈FAAVO〉を運営する株式会社サーチフィールドさんも、日本全国に295のパートナーを持ち、行政や地方金融機関との提携もとても多く、地域に密接に関わりながら大事にクラウドファンディングを運営してきた企業です。
「FAAVO宮﨑」では2017年の年間資金調達額が3,000万円を越え、宮崎にサテライトオフィスも設けています。実際にそこに暮らしていれば、相談会も頻繁に開催できるし、より密なプロジェクトの立ち上げサポートができる。この点にも大きく注目しました。日南市に移住した若者が起こした、林業再生のために国産杉の工芸品を取り上げたプロジェクトは、目標金額を100万円上回る325万円を集めました。さらには「FAAVO鳥取」のように、鳥取市や鳥取銀行と提携をしているケースもあります。市が補助金や低金利の融資に加え、新たなサポートのひとつとしてクラウドファンディングを採択しています。
<FAAVO>と<CAMPFIRE × LOCAL>は一つになり、<FAAVO by CAMPFIRE>として、合計363のエリアパートナー、53の行政提携、50の地域金融機関との提携を持つ、国内最大の地域特化型クラウドファンディングサービスとして動き始めます。そして、ふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディングや、多数の地域金融機関との提携による真の金融包摂の実現に注力していきます。
<FAAVO by CAMPFIRE>は、地域で声を上げようとする方々の、小さな火を灯し続けていきます。
株式会社サーチフィールド 「FAAVO」事業責任者:齋藤隆太
私たちは「出身地と出身者をつなげる」をコンセプトに、2012年6月、地域×クラウドファンディングFAAVOをリリースしました。当時は「FAAVO宮崎」のみの1エリア。代表である私の出身地です。リリースから5年半たった今、FAAVOは全国77エリアに拡大し(2018年3月現在)、2017年1月には宮崎県にサテライトオフィスを開設するまでになりました。地域を愛するたくさんの方々に支えられ、今のFAAVOがあります。
私は、18歳で宮崎から東京に飛び出しました。故郷を離れ無我夢中で働いていた最中の2010年のこと。農業県である宮崎県が鳥インフルエンザ、口蹄疫、新燃岳の噴火という災害に見舞われ大打撃をうけ、東京に住む宮崎出身者のエネルギーが結集して大きな力となるのを初めて目の当たりにしました。
さらに2011年、未曽有の大災害東日本大震災。日本中の人が故郷との「絆」を見直すなかで、私自身も地元宮崎に何ができるか考え始めました。そして、東京にいながら地方に働きかけるには限界があることに気づいたのです。
都市部にいる地方出身者が地元と離れていてもつながりを保てる仕組みがないこと、一度地元を出てしまうと地元での新しい関係値を築きにくくなる現実。「もっと、毎日、地元のことを考えて行動を起こすことを普通にしたい」そう思いたち「今の地元」に普段からアクションできるサービスとして立ち上げたのがFAAVOです。
そんな中、私たちよりも1年早くサービスインしていたCAMPFIREさんはいつも私たちの目標でした。業界をリードするような素晴らしく大きいプロジェクトをいくつも立ち上げつつも、どんな人でも使えるようにするというユーザー目線を最も持って運営しているように見えていました。
代表の家入さんに今回のお誘いをいただいた時、「小さな火を灯し続ける」というCAMPFIREのミッションを共有できることに嬉しさを感じました。それは、FAAVOが地方の現場で取り組んできた「地域の小さな声を大切にする」、そんなスタンスと共鳴するものだったからです。
今回のお話を経て、家入さんや取締役の方々とさまざまお話をする中で、FAAVOのスタイルに共感していただいている喜びを感じましたし、一緒に事業展開することで、より地域社会に必要とされるサービスになれる、そう確信を得ました。
私たちは、社会の誰でもがクラウドファンディングを使えるように、本気で地域に根ざしたインフラにしていくために、丁寧に寄り添う「まちでいちばん身近なクラウドファンディング」として、CAMPFIREさんとタッグを組んでこれからの地域社会をしっかりと見つめながら、リードしていきたいと思います。