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リソースを効率的に使う

 OSのもう一つの大きな役割は、コンピュータのリソースを管理して、プログラムがリソースを効率的かつ安全に使えるようにすることです。

 リソースが効率的に利用できていないと、データの読み書きがボトルネックになってCPUの停止している時間が長くなり、システムの処理に時間がかかってしまったりします。

 リソースを効率的に利用するために、OSはさまざまな機能を備えています。例えば、入出力したデータをメモリーに保持して再利用するこキャッシュ機能、複数のI/Oを一度にまとめて行うバッファなどのソフトウエア技法を用います。これらにより、CPUの無駄な待ち時間を減らして処理を高速化できます。

 こうした機能を活用する際には、プログラムがメモリーを使うつもりがなくても、OSがメモリーを消費することがあります。性能やデータ量の要件が厳しい場合、OSのリソース割当てやバッファに関するデフォルト設定を変更する必要があります。

 リソースの安全な利用とは、リソースの使いすぎによるシステムの予期しない動作を防ぎ、アクセス権のないリソースにアクセスさせず、同時アクセスによるデータ破壊を防ぐことです。

出典:日経BPムック「若手ITエンジニア 最強の指南書」 p.47 「OSの役割」を改題して編集
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