この記事は日経 xTECH有料会員限定ですが、2018年4月6日5時まではどなたでもご覧いただけます。
ホンダはトヨタと異なり自社完結
トヨタ以外の取引先が多く、セキュリティー開発に力を注いでいる一部の部品メーカーは、複数顧客の仕様に対応する鍵管理基盤の自社開発に舵を切るようだ。
なおトヨタは、鍵管理センターと通信するインターフェースについては、無償で部品メーカーに提供する。部品メーカーに構築を任せることにすると、鍵管理センターの通信仕様を開示する必要があるからだ。同センターの秘匿性を担保しにくくなる。
ホンダも、トヨタと同じ2019年から制御系ECUに共通鍵を搭載する計画がある(関連記事)。ホンダは、トヨタの約1年後となる2017年末に鍵管理センターの開発に着手。2018年内に完成することを目指す。
ホンダも暗号技術を制御系ECUに採用
ホンダは、米国仕様の「オデッセイ」の情報系システムにOTAを採用し、メッセージ認証技術を使っていた。2019年から富士通の開発基盤を使い、制御系ECU間の通信に採用していく。写真は現行オデッセイの透視図。(出所:ホンダ)
ホンダとトヨタで異なるのが、ホンダは自社だけで共通鍵を扱い、部品メーカーに対して管理を求めないことだ。自社工場内に鍵管理センターを設置し、生産ラインでECUに共通鍵を組み込む。
部品メーカーは、“仮の共通鍵”を搭載したECUをホンダの工場に輸送する。ホンダが自社工場で、正規の共通鍵をECUに組み込む。共通鍵を秘匿しやすく、セキュリティーを高められる。部品メーカーの投資負担は小さくなる。
ホンダの場合、共通鍵を搭載する部品数がトヨタに比べて少なく、自社で対応しやすいことも背景にある。2019年から量産する車両では、3個と少ない制御系ECUが共通鍵を搭載する対象になるようだ。10個近くに上るトヨタは自社で全て対応しにくく、取引先に共通鍵の取り扱いを求めた形だ。