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 オーストラリアの通信事業者Telstra(テルストラ)は2018年3月27日、世界初とする5G対応Wi-Fi(無線LAN)ホットスポットの提供をゴールドコーストにて開始したと発表した(ニュースリリース)。サウスポート地区スカボロー通り、ネラン通りの複数のWi-Fiスポットから、市民や観光客に無料ブロードバンドサービスを提供する。同時に5Gコネクテッドカーのデモも公開している。

出典:PIXTA
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 現在、5G利用可能な商用スマートフォンやタブレット端末は存在しない。そこで、今回は5G接続用のバックホール(基地局間接続経路)とインフラ設備を、サウスポート電話局に用意。端末をWi-Fiアクセスポイントに接続し、そこから上記5G設備で接続することで、既存の端末から同社5G技術にアクセスできるようになっている。今回用意した5Gバックホールの速度性能は、下り方向で3Gビット/秒超。この5G対応Wi-Fiスポットでは、1日に10Gバイト/端末までの無料ダウンロードが可能となっている。

 今回は同地区路上に5Gコネクテッドカーも用意。ミリ波帯を使ったデモも実施している。こちらは、スウェーデンEricsson、米インテルの「5G Automotive Trial Platform」を含む協力を得て、車内での下り速度1Gビット/秒を実現した。車内にはWi-Fi APも設置されている。

 Telstraは2019年の5Gサービス提供を目指しており、今回の取り組みはそのための重要なマイルストンだとしている。今後も、2018年2月にサウスポートに開設した5Gイノベーションセンターを使って、この地域の5Gインフラ整備を進めていくとしている。