「週刊 西郷どん編集部」が密着取材。
亮平どんのアツか声、お届けしもす!
最初に、「あまり史実は勉強しないでほしい」ってスタッフさんから言われたんです。先入観なくドラマに入ってほしいという理由からおっしゃっていたんですけど、僕自身は事実を知ってからちゃんとフィクションを演じたいので、多少は調べました。海音寺潮五郎さんの史伝をひとつ読みました。
あとは、西郷さんゆかりの土地へ行って、見たであろう景色、食べたもの、生きていた場所に肌身で触れて。大分・熊本から鹿児島をぐるっと回って沖永良部島へ、さらに奄美大島へも行きました。
こうやって自分で動くと、役に対しての愛着が湧いてくるんです。分かったつもりには簡単になれないけど、“好きだなぁ、西郷さん”って思えた旅でした。
演じながら日々思うのは、「共感力」を大事にしたいということ。吉之助のことを「自分の身を捨てて、相手の気持ちになってしまう」と周りが語る場面がこの先出てくるんですけど、そのとおりだと思うんですよね。
演出の野田さんと話したことですけど、吉之助は全部を背負っていく人間なんです。若い時はむしろ未熟で感情的だったりするけれど、人の思いをひとつずつ背負って、どんどん大きな人間になっていく。
だから、出会う人からもらった言葉や忘れられない瞬間を、吉之助の中にちゃんと入れて背負いたいなと思って。僕、それをノートに書いているんですよ。きっと大人になっても、事あるごとに思い出している言葉があるはず。忘れたくないなと思って、たまに見返しています。
もうひとつのキーワードは「繊細さ」。
体が大きい人ってつい豪快に見られがちだけど、僕自身そうじゃないですしね(笑)。
西郷さんを調べてみても、マメでこまやかで、僕は絶対マネできないと思うほど、心づかいの人なんです。男っぽいイメージとは真逆の、ある種の女性らしさを表現することが彼の本質に近づくんじゃないかって。
だけど、ここぞの時はどん!と猛進するほど血気盛ん。この相反するところが魅力だろうし、どっちかに偏らない人間でいたいですね。
坂本龍馬が西郷さんのことを、『大きくたたけば大きく響き、小さくたたけば小さく響く』と言っているように、いろんな人間性を出すことを恐れないでいたいなぁと。・・・きばいもす!
週刊西郷どん 創刊準備号(2017年12月1日更新)