ネット利用履歴をまったく残さない…プライバシー問題に一石を投じるDNSサービスが登場
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2018.04.02
インターネットの利便性の裏に、常につきまとうのがプライバシー問題。
オフラインとは違い何らかの形で痕跡が残ってしまうのがインターネットですが、プロバイダにも痕跡を残さないようにできるDNSサービスが登場しました。
ネット利用履歴がまったく残らないDNSサービス「1.1.1.1」
「Facebook用個人診断アプリ」を通して取得された個人情報が不正流用された問題に関連して、改めて注目されているのがネット利用におけるプライバシー問題。
そんな問題を解決したいとCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)やインターネットセキュリティサービスなどを提供しているCloudflareが、新たなサービスを発表しました。
リリースされたのはWi-FiなどのDNSサーバー設定に「1.1.1.1」と打ち込むだけで、プロバイダなどにもネット利用履歴を残さないようにできるもの。
これだけだと何のことかさっぱり…となるのでまずはDNSって何?というところからざっくり説明すると…
私たちがPCやスマホからインターネットを閲覧する場合には、インターネットプロバイダやキャリアなどを経由しているのは分かりますよね。
先日、総務省が海賊版サイトへの対策として挙げていた、サイトブロッキング(接続者談)もネット接続時に必ず通り、どのサイトを見ているかが分かるからなんですね。
それでDNSって何かというと、普段私たちがサイトを見る時に、例えばカミアプならURL「http://www.appps.jp」を入力しているのですが、
実はサーバー側で持っているのは「xxx.xxx.xxx.xxx」といったIPアドレスだけなんですね。
それだとサイトを見られないので、「http://www.appps.jp」をIPアドレス「xxx.xxx.xxx.xxx」に紐付ける役割をしているのがDNSサーバー。
※すごくざっくりと分かりやすいように説明しているので、詳細は省いています。
さてざっくりDNSとはどんなものか分かったところで、先程の図に持ってみましょう。
私たちがネットに接続する際には必ずプロバイダやキャリアを経由しており、DNSサーバーも用意されたものを使うことになるので、どこに接続しようとしたのか履歴は丸々残るという訳。
もちろん法律の問題もありその履歴データが簡単に流出することは考えにくいですが、DNSサービス「1.1.1.1」が提供するDNSサーバーを使えば、履歴は一切保存しないということなんです。
と言ってもDNSサーバーはやろうと思えば、URLとサイトを紐付ける処理をしている関係上、ユーザーのリクエストとは違うページに意図的に誘導することも可能。
そのようなこともあり、逆にこのようなうたい文句で集めたネット利用履歴を他社に売るんじゃないかという懸念も出てくるのですが、Cloudflareは公式ページで「(ログデータは)24時間以内にデータは消去する」と約束。
「ユーザーを追跡したり」「広告を売り込んだりする」ようなことはせず、「個人データを資産として見ることはありません」としています。
またその担保として監査法人となるKPMGと提携し、同社のシステムがユーザーのデータを収集していないことを保証するとのこと。
さてここまで読むとそういう有料サービスなんでしょ?と思ってしまうのですが、なんとこれが無料。
ただより高い物はないなんて言葉もありますが、その辺りは自己責任と言ったところでしょうか。
DNSサービス「1.1.1.1」を設定する方法
さて先程も言いました通りDNSサーバーは悪意を持って運営されるセキュリティ的な問題もあり、誰にもお手軽にオススメできるものではありませんので、自己責任という前提で設定の仕方を簡単にご紹介。
DNSサービス「1.1.1.1」を利用するには、設定からWi-Fiを開きます。
次に今接続しているWi-FiのSSIDの横にある〇にiのアイコンをタップして詳細を表示。
下の方に「DNSを構成」という欄があるので、開いて「手動」をタップします。
すると、自分でDNSサーバーを追加できるようになるので「1.1.1.1」と「1.0.0.1」を追加した上で、今まで使っていたDNSサーバーを削除。
※利用をやめる際に自動に戻せば大丈夫だと思いますが、念の為、消す前に今まで使っていたDNSサーバーのIPアドレスはメモしておきましょう。
これで設定は完了。実際これだけだと何が変わったか分からないくらいですが、今まで使っていたDNSサーバーが遅かったりしたら、多少ブラウザ利用時に体感的に早くなったと感じる場合があるかもしれません。
Cloudflareの公式ページによれば、他のDNSサーバーよりも早いことも売りにしていましたよ。
iPhone以外の場合の設定手順は公式ページに動画付きで解説があったので、こちらも参考に。
⇒1.1.1.1 — the Internet’s Fastest, Privacy-First DNS Resolver
まとめ
正直ここまでするかな…とも言えなくもないDNSサービス「1.1.1.1」ですが、それだけネットにおけるプライバシーに注目が集まっているということでもあるんでしょう。
ネットの利便性を得る代わりに仕組み上、ある程度履歴が残るのは致し方ないことだと思うのですが、このようなサービスが出てくるということはそれだけ気にしている人がいるということなんでしょうね。きっと。
18件のコメントがあります。
GoogleのPublic DNSの8.8.8.8もあるよね。接続先が遅い時に使ってる
この記事良いね!こういうのをカミアプに求めてる!YouTube関連いらない
DNSサーバーを他の場所にしても、名前解決した先のIPアドレスにアクセスに行ってるのは、プロバイダにはわかるんじゃないの?
さっそく設定してみます。ありがとう!!!
エイプリルフールネタかと思ってた
記事読んでない
プロバイダのDNS参照履歴が残らないだけで相手サイトとの接続ログは記録されてるから。匿名気分で悪さをしたらキッチリ立件されるよ。
これで漫◯村のサイト見る時に総務省のサイトブロッキングが実施されても回避できるな。ありがとうかみカプ。
このDNSとvpn使って、匿名性の高いブラウザ使えば、匿名性は少しあがるけどね!
ベラムーチョ大作戦
>>10
よう、池沼
設定しても元に戻ってしまうのだが
個人情報を売り渡す悪徳業者が実際に存在するからセキュリティ面では嬉しく思う。
だからと言ってネット上での誹謗中傷や意図的なデマで、特に怪事件の対象になるような案件でも捜査する側がお手上げ状態では悪意あるユーザーのやりたい放題になる事も懸念される。
例外なく消去を約束するのではなく、内容を常に精査して悪質と判断したものだけでも無期限で残す事を明言しないとネット社会の無法地帯化を加速しかねないと思う。
>>7
同感。
更に言うなら信頼を売りにしてる企業が日常的にやらかす時代に◯◯社がこういうサービスを始め◯◯社が監視役として保証←信頼に値するのか甚だ疑問。
Wi-Fiルーターの設定でもDNSって変えられるの?変えたら効果あるの?
>>14
同感。
失敗した〜
>>13
この会社が悪徳業者だったらどうする?