牛肉の巨大な塊は5日後、極上のコンビーフになった…!「ドリトル」は名古屋に来たらぜひ足を運んでほしい

名古屋・覚王山駅にあるオススメのカフェ「cafe&kitchen DooLittle(ドリトル)」(愛知県名古屋市千種区田代本通5-3 nuビル1F)を紹介します。こちらの名物はなんといっても自家製のコンビーフ。5日間かけて手作業でコンビーフを作っています。そのこだわりのコンビーフを惜しげもなくたっぷり使った「ホームメイドコンビーフサンドウィッチ」や「ホームメイドコンビーフのトマトソースごはん」など、いずれもコンビーフの美味しさを存分に味わえます。そのほか、「グリルチキンとアボカドのサンドウィッチ」「チリビーンズとチェダーチーズのサンドウィッチ」といったサンドウィッチメニュー、「ホームメイドコンビーフカレー」「てりマヨチキンごはん目玉焼きのせ」といったご飯系メニュー、「ローストバナナ&キャラメルチョコパンケーキ」「モンブランパフェ」「まるごとピーチパフェ」といったデザートメニューも豊富です。(覚王山・東山公園のグルメカフェ・スイーツ

牛肉の巨大な塊は5日後、極上のコンビーフになった…!「ドリトル」は名古屋に来たらぜひ足を運んでほしい

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牛肉の塊の山。キッチンに置かれたコレを見たら、ステーキやローストビーフになると思うかもしれない。否。この肉塊が辿る運命はなんと、コンビーフなのだ。

 

手作りコンビーフを味わえる店

改めまして、名古屋在住Webデザイナー兼ライター兼会社員のCatNoseです。

さて、あなたがコンビーフと聞いて想像するのは、缶詰のアレではないだろうか。しかし、名古屋では極上の手作りコンビーフを味わえるお店がある。

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そのお店は「Cafe&Kitchen Doolittle」(発音はドリトル)。広めの店内には、ゆったりと間隔をあけてテーブルと椅子が並んでいる。椅子のデザインも様々で「お好きな席へどうぞ」と言われると、どの椅子に座ろうかと選ぶのも楽しい。

本棚にはセンスのいい雑誌が多数置かれ、開放的な雰囲気で、居心地がいい。ついつい長居してしまうタイプのお店だ。

ここであのワイルドな肉塊が調理されるというのだから面白い。

 

手作りコンビーフができるまで

コンビーフとは、簡単に言えば「塩漬けの牛肉を加熱してほぐしたもの」。ドリトルでコンビーフを作る手順は、超ざっくりと言うと

  1. 肉を調味液に漬け込む
  2. 塩抜きする
  3. 肉を煮込む
  4. 肉をほぐす

の4ステップだ。簡単そうに見えるが、合計5日以上もかかる。取材許可をいただいたので、数日掛かりの大仕事の全貌を包み隠さず紹介する(この記事で後ほど、オーナーさんに教えてもらった手作りコンビーフのコツを紹介しているのでそちらも要チェック)。

1. 肉を調味液に漬け込む

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まずは、調味液を作る。鍋にクローブを始めとする数種類のスパイスを入れ、砂糖、それに大量の塩を加える。「塩漬け肉」というだけあって、塩の量がハンパない。

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これに水を加えて、沸騰させ、吹きこぼれに気をつけながら数分間煮込む。粉類が溶け、スパイスから成分が染み出したら、火から下ろして氷水につけ、冷ましておく。

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調味液が冷めてきたら、いよいよ肉の塊を調理していく。

こちらは調理される前の牛肉。適度な脂肪がありつつも、赤身が大部分だ。まだ「牛」感が残っている。普通に生活していたら目にすることはまずない、かなりのビッグサイズ牛肉だ(写真のまな板は、普通のまな板の3倍はある)。なお、一度に調理する量は、13〜15kgほどになるらしい。

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これを大きなまな板の上で、ガシガシと豪快に切り分けていく。厚さは10cmほどだろうか。もうこのままステーキにして食べたい。

表面のドリップ(赤い液体。血ではない)を洗い流しながら、作業を進めていく。

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肉の塊が巨大な肉の山になった。壮大なスペクタクルだ。エアーズロックを彷彿させる堂々感。これで半分くらいの量らしい。

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切り分けた肉は、キッチンポットに詰めておく。肉肉しさがハンパない。みっちみちになっている。30cmくらいある、大きいキッチンポットなのに。

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これに冷めた調味液をかけ、牛肉を浸す。小鍋に残ったスパイスの実も、残すことなくすべて加える。そうしたら落し蓋とラップをして、蓋をして完了だ。

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これを冷蔵庫に入れて、5日程度放置。肉に調味液が染み込むのを待つ。しかし、まだ作業は中盤。現時点では「1.肉を調味液に漬け込む」が終わっただけだ。

2. 塩抜きする

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5日後の肉塊の姿だ。これを塩抜きしていく。

「塩抜き」は、牛肉を煮込む前の重要な下準備だ。これを怠ると、完成したコンビーフを食べたときに、あまりのしょっぱさに顔をしかめることになるだろう。

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まずは流水で表面の調味液を洗い流す。調味液を吸った分、くたっと柔らかくなったようだ。肉肉しさは相変わらずだが、生命力?みたいなのがちょっと和らいで「もう食肉になりました感」が出た(“さっきまで生きてた肉です”感が消えた)。

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洗い流したら、キッチンポットに戻して氷水に漬け込み、塩抜きする。普通の水よりも氷水の方が、しっかりと塩抜きできるそうだ。このまま30分以上放置。

なお、漬け込んだ日数に合わせて塩抜き時間も調整する。1週間漬け込んだ場合はさらに長時間塩抜きする必要があるし、逆に3日程度なら短時間の塩抜きでよい。もし家庭で手作りコンビーフに挑戦するならば、ご参考まで。

3. 肉を煮込む

さて、塩抜きが完了したら、次はいよいよ煮込む(待ち遠しかった)。

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山盛り牛肉を煮込むのに使うのは、体育座りしたら小柄な人なら収まるのでは、という大きさの大鍋。

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皮をむいた人参とたまねぎを丸ごと放り込み、さらにまたまたスパイスを加える。そこに肉を入れていく。

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肉を敷き詰めたら、赤ワインを加えて、最後に肉がひたひたになるくらい水も投入。