私が勤めている会社はそれなりに大きいところで、業務もかなり多岐に渡る。
ということもあってか、ビルには毎日のように初見の人が出入りしている。同じフロアでも業務内容が変わるたびに派遣社員が入れ代わり立ち代わり現れるもんだから、人間観察をするにはもってこいの環境だったりする。
ともなれば、もう仕事そっちのけで人間観察ばっかりしちゃうこともしばしば。
特に月曜の朝なんかはやる気スイッチが入るまでしばらくボーッと人々を眺めている。ネットニュースのチェックと人間観察をしばらく交互に繰り返している。やる気スイッチ僕のはどこにあるんだろう。
新社会人のみなさんはどうか見習わないでほしい。
美魔女、あらわる
そんななか、つい先日の出来事なんですけれども。
この小汚いビルには似合わない、なんかもう、ザギンでジュエリーとか売って、昼飯はシースー食ってそうな随分と奇麗なお姉さんが入社してきたわけですよ。
ルックスは例えるならば、スザンヌがもう少し和風になった感じ。雰囲気はスザンヌのホワッとしたアホっぽいまんまで、かなりスレンダー。で、もう少し日本人の顔。
どう?イメージはできた?OK?先に進みます。
で、そんな女性がこれまたスザンヌっぽい喋り方で「未経験ですけど頑張ります!」みたいな挨拶してるの。
それみて色めき立つ男性陣、友達になれるかなぁなんてワクワクしている女性陣、あと念だけで呪い殺しそうな勢いで睨みつけてるババアが数名。下手なホラーよりホラーしてる。とっとと除霊されろ。
んで、スザンヌはその恵まれたルックスと、計算され尽くしたキャラ設定で一瞬にして周囲の人間を味方につけた。
これまでもだいぶ上手に世渡りしてきたんだろう。なかなかの手練れよ。あざとい。あとできることならお近づきになりたい。
とは言え、同じフロアにいるというだけで業務上は一切、接点のない私とスザンヌ。
これ見よがしに声をかけに行くのはいろんな方面からの視線が痛いし、そもそもそんなコミュ力は大学卒業とともに衰退してしまった。
ということで、また次の人に入れ替わるまでの短い期間で観察するくらいでいいかと思っていた。
美魔女、あざとい
ということで、私は私で自身の業務をこなし、スザンヌはスザンヌで新人研修なるものでバタバタしている日々が続いていたわけなのだが、つい先日、業務終了後にたまたま会話する機会があって。
おぉ、ラッキーなんて思っていたら、なぜかスザンヌも私の存在を認識してくれていて、かなりスムーズに会話もできて、これまたラッキー。そのうえ、「よかったら駅まで一緒に帰りませんか?」とか言われたら断る理由がない。そりゃ帰りますさ。
そんな駅までの帰り道で、何気ない会話をしていたのだが、
スザンヌ:「そういえばカザマさんっておいくつなんですか?」
カザマ:「27です。今年で28になりますね。」
スザンヌ:「あー、やっぱり若いですねぇ。見た目からして若いんじゃないかなって思ってましたもん(笑)」
カザマ:「いやいや、言ってもそんな変わらないですよね?(笑)」
この短い会話の間だけで3回は腕を軽く叩かれた。
あの、「やだー、もーう」みたいなソフトタッチのやつ。わかりますかね。あのあざといやつ。
やけにボディタッチが多い。これはマズい。完全に術中にハマった。もう好き。チョロい。チョロすぎるぞ私。
そんな私の胸の内を知ってか知らずか、スザンヌの猛攻は続く。
スザンヌ:「えー、変わりますよぉ。(ソフトタッチ)私なんてもう全然若くなくて。(あざといジェスチャー)」
カザマ:「またまたー。女性ってそう言いつつ、なんだかんだ20代後半ですとかいうパターンばっかじゃないですか(笑)」
スザンヌ:「えー!そんなことないですよ!(強めにタッチ!)わたしカザマさんより全然上ですもん!(タッチ&タッチ!!)」
打つべし!打つべし!打つべし!
もうボディタッチの連打。これにはジョーもお手上げ。手も足も出ずに真っ白に燃え尽きる。丹下のオッサンが恨めしそうな顔でリングサイドから眺めている。
なのに脳内BGMはタッチ。岩崎良美がリングサイドで熱唱してる。
でも目の前にいるのは南ちゃんではなくスザンヌ。もう何がなんだか…。
もうこれ以上、タッチされたら本当に危ない。私が真っ白に燃え尽きかねない。ここはそろそろ話題を変えなければ…。
と、そんなとき、衝撃が走る。
カザマ:「いやいや(笑)上って言っても1つとか2つとかでしょう?(笑)」
スザンヌ:「いや…、一回り以上…、上です(笑)」
カザマ:「……え?」
スザンヌ:「だってわたし43ですもん(笑)」
???(゜Д゜)
ええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?(゜Д゜;)
カザマ:「え?ギャグですよね?(笑)」
美魔女:「マジですよ(笑)」
カザマ:「私の聞き間違いとかではなく…?」
美魔女:「はい、43です。ね?全然上でしょ?(笑)」
カザマ:「………(絶句)」
こんなことがあっていいのかと。
そりゃ見た目で多少、年上かなとは思ってたよ。絶対に下はないだろうと。
これで正直、20代前半ですとか言われてたらどうしようかと思ってたけど。SK-Ⅱ進めようかと思ってたけど。
ところがどっこい、真逆の意味で反応に困るとは思いもしなかった。なにがSK-Ⅱかて。美肌改革が必要なのは私のほうだった。
これは2018年、衝撃度ランキング、暫定1位。
しかも、特に美容にお金をかけてますとか、実はいろいろいじってますとか、そもそもアンドロイドですとか、そういうことは全然ないらしい。
何がどうなれば、こんな40代が存在できるのか不思議でならないんですが、確かに奇跡も魔法もあった。そんなことを目のあたりにした今日この頃だった。
ちなみに
あまりの衝撃に脳がフリーズしてしまい、そのあと何を話したか覚えていません。
ブログのネタにするならここから先が重要なのに。
はぁ。
あたしって、ほんとバカ。