さて後編です。

というか前編で書ききる予定がまさかの後編へ…自分でも驚いてます。

やはり井上先生は一言で語れないという事でしょう。



前の記事でも書いたように只今発売中の『井上雄彦ぴあ』は買いです。

『バガボンド・スラムダンク・リアル』ファンなら必ず手に取っていることでしょう。


僕もさっき読み始めてまだまだ序盤なんですがこの本は面白いし、深い。
これ、雑誌じゃないんじゃないか…?と読んでてたまに表紙を見返すくらいです。

最後のマンガ展(上野)は見に行ったんですが…言葉になりません。言葉にならないんです。

『バガボンド』の世界観を知ってる人もそうでない人も同じ空気を吸い、呼吸している「空間」を味わいました。
実を言うと僕は見に行った時、そんなにバガボンドを熟読していた訳じゃないんです。
なのに、3時間並んで中に入った時は足取りが重い。
それは決して足が疲れていたとかではなく、一枚一枚に込められた井上先生の想いが僕の足を動かせないようにしていたのか…
そんな風に感じた。僕だけなのかと周りを見ると周りの人達も同じ、想いに動けずにいました。

あぁ…僕ら通じ合ってる…

素直にそう思いました。

普通にマンガを読むのと違ってマンガ展では歩む事がページをめくることなんです。

つまり後戻りは出来ない。

読んでしまえば心の中に刻まれているはずだから読み返す必要もない。
ただただ“空気”を味わう事。

その結果、最後はボロクソに泣きましたけどね…(笑)

何故泣いたからは分からない。
心の底からこみ上げてくるものを拒まず体を伝って流れただけのこと。

悲しいから、嬉しいから泣いたんじゃない。

ひたすら流れる涙は美術館を後にした後も涙腺を伝ってた。


およそ10万人を動員、その内、感想メールが2万通。
メールは僕も書きました。


今度は宮本武蔵の生涯を終えた場所である熊本にてマンガ展が行われますね。

井上先生自体も上野で出来なかった事を熊本という地で『重版』として成し得る為に挑むと書いてありました。


あれだけ人気を誇った井上先生でもこんな言葉を言うんだと思い、深く響いた言葉があります。


それは

『描けば描くほど、進めば進むほど、見えてくるのは足りないものだったりする』

やっぱり井上先生は僕の心の恩師だ。

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