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コインチェック事件で「100万円」をパーにしかけた漫画家の告白

僕の不幸は「蜜の味」
今年1月26日に580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」を流出させた仮想通貨取引所、コインチェックが引き起こした騒動は、3月12日に日本円でのNEMの補償が行われ、じょじょに沈静化しつつある。
しかし、対象となるネムの保有者だけでも約26万人を巻き込んだこの大事件。当事者はその渦中で何を考え、どう動いたのか。
事件発生当日、100万円をコインチェックに入金していることをツイッターで明かし、話題になった漫画家、片倉真二さん。当時の心境を赤裸々に語る。

仮想通貨デビュー早々、100万円消えそう…

「現代ビジネス」をご覧のみなさま、はじめまして(の方が多いかと思います)。漫画家の片倉真二です。普段は「コミックDAYS」というところで『ムギのころ』という、ほのぼのネコ漫画を連載しています。

そんな僕が、なぜ政治、経済、事件、といった話題が満載の「現代ビジネス」で文章を書くことになったかというと…

こちらの漫画を見ていただいたほうが早いですかね(右上のコマから縦に読んでください)。

*この続きは「コミックDAYS-編集部ブログ-」にて

これ、実話なんです。こうなった経緯を少しだけ、振り返らせてください。

コインチェックを選んだ理由

僕、家計は奥さんに任せっきりで、時々お小遣いをもらうんです。でも、あまり使いみちがなくて、いつの間にかたまってしまって、一種のタンス預金のように。それが、ちょうど100万円くらいありました。

じつは前々から「投資」に憧れはあったんです。小学生のときに、すがやみつる先生の「株入門」のような漫画も読んでいて。ただ、社会人になってからもやる機会はなかなかなく、今回、趣味として始めてみようかなと。

 

「仮想通貨」を選んだのは、ちょっと面白そうだなという、純粋な好奇心が大きいですね。株も検討はしたんですけど、日経平均もバブルの頃の株価に近づいてるし、今からやるのも遅いかなと、素人ながらに考えた結果です。

僕、結構せっかちなところがあって、やりたいと思ったら、すぐやりたいんですよね。だから仮想通貨投資を始めるときも、取引所を決めようと早速ネットで調べて。すると、コインチェックが目立ってたんです。当時はあのCMもバンバン流れてたし、会社も大手みたいだから、これでいいじゃんと。

いちおう他の取引所も手続きしてみたんですが、とにかくコインチェックの手続きがすごく早くて。取引開始までが一番スピーディーだったので、お金を振り込んですぐ始めることにしました。

買ったのはネムとリップル

コインチェックで取り扱いがあった仮想通貨は、13種類です。でも仮想通貨によって、価格がぜんぜん違う。

たとえばビットコインだと、この原稿を書いている時点で1ビットコイン=約120万円。とても手が出ませんでした。だから、100円単位で買えるNEM(ネム)とXRP(リップル)を選びました。

ネットで調べる限り、リップルはいろいろな人が推薦していました。ネムは……、正直いうと、よくわからないけど買っておこうと。もしかしたら「爆上げ」するかもしれないし、一種の「ロマン枠」として(笑)

100万円のうち99万円分をリップルに、残りの1万円をネムに配分しました。買ったのが1月20日だったかと思います。これでどんどん価格が上がれば、また違った話になったんでしょうが、買った時期が悪かったのか、価格は下がるばかりでした。

そして、運命の1月26日がやってきました。