犯人の手元にはこんな虫食いの新聞紙があるはず
脅迫状は新聞を切り抜いて作るものだ。切って貼ってのツギハギな”想像上の脅迫状の姿”が皆の共通認識として存在すると思う。
その切り抜いたあとの新聞紙から、脅迫状の中身を当てたいと思ったのだ。
埼玉生まれ、神奈川育ち、東京在住。会社員。好きなキリンはアミメキリンです。右足ばかり靴のかかとがすり減ります。
前の記事:「架空の駅の、架空駅弁を作ろう」 人気記事:「“トマトソースとマスタードが一度に出せるあれ”の工場見学」 > 個人サイト のばなし ”脅迫状を作ったあとの新聞”から脅迫状を推理する。つまりこういうことである。
キャスト:犯人役 井上マサキ / 探偵役 北向ハナウタ
おわかりいただけただろうか。どんな状況やねん、と思うかもしれない。おれもほんのりそう思ってしまっているが、とにかくこれをやりたいのだ。
そんなわけで今日は筆者が人生初の犯人となって脅迫状をこしらえ、探偵役として井上マサキさんとトルーさんをお招きした。 左から井上さん、トルーさん、筆者。トルーさんは力士柄のシャツを着ている(福袋で当たった)
尚、脅迫状の枕詞とも言える「お前の子供は預かった 返してほしければ」は元から回答用紙に記入されており、この後ろの指示を当てることになる。
返してほしければ何をすればいいのか?現金を用意?何か物を渡す?探偵の二人にはその指示を推測して実行してもらうのだ。
今日は3問の”脅迫状を作ったあとの新聞”を用意した。どちらが先に脅迫状を解読できるか、三本勝負だ! 1問目~名探偵誕生?穴の開いたページと穴の開いていないページを混ぜ込んだ新聞を広げたら推理スタート。
いいぞ、捜査感がある
文字を探すところまでは協力戦、文字を並び替えて指示を遂行するところからは個人戦にした。文字探しから個人戦にすると誰も喋らなくなりそうだからだ。それはつらい。
複数人で進めていくと様々な推測が飛び交う。 左上が抜かれている(ヒントとなる箇所は黒く塗りつぶした)
井上「あ、穴あいてる!これはオリーブ…まさか、ビリーブ?」
北向「ビリーブを70年間育ててきたのすごいですね」 子どもの頃おふくろがビリーブオイルを塗ってくれた、というエピソードも熱い。島で実るビリーブには限りがあるらしい。とは言えここは冷静に「オ」を選択して次へ。 逸ノ城 慌■ない
井上「ここもあいてる、逸ノ城…慌てない?」
トルー「慌てないことがニュースになりますかね」 一度でいいから慌てない事がニュースになってみたい。 井上「普段すごい慌ててるんですかね、焦ってすごい塩を撒いちゃうとか…」 北向「よくそんな精神状態でここまで強くなりましたね」 普段の逸ノ城が気になりつつも「て」を拾って次へ進もう。 ロボアドバイザーが増やすもの順調に文字を拾っていく中で一同は難問に差し掛かった。
順調に文字を拾っていく中で一同は難問に差し掛かった。
井上「ロボアドバイザーで…なんだー?」
トルー「後ろの穴は”を”ですよね」 井上「年金を…?預金を…?」 だいたいの問題は前後の文脈から解けるのだけど、この問いはまずロボアドバイザーという架空の存在が難しくさせる。いったいロボアドバイザーは何を増やしてくれるんだ。 トルー「貯金?」
井上「貯金額を教えろ、という指示だったらイヤですね」 トルー「貯金額を聞いてからいくら請求するか決める犯人」 堅実で嫌だ。難問だったが井上さんが本の背表紙にタイトルを発見しここもクリア。 井上「”お”じゃーん!」 正解は『ロボアドバイザーでお金を増やそう!』。まさかの「お金」だ。難しく考えると意外とドツボにはまる。 他には1975年のオリコンチャートからの出題や
スポーツ問題(本文の「メ」を塗りつぶし忘れた)
経済欄など
拾った文字を並べていく
順調に文字を拾っていくも、どうしてもあと一文字が見当たらない。文章が完成しない。
そんななか井上さんがハッと閃いたように手帳を取り出し、文字を並び替えはじめた。 あと1文字を探すトルーさんと確信に変わる井上さん
井上さんがもしかしたらこれ…と言いながら立ち上がった。
北向「解読できたんですか!?」 できたっぽい
まだ文字が埋まらないままに井上探偵は会議室のドアを開け街へ飛び出した。
そして1文字とともにトルー探偵が残された
トルーさんが最後の一文字を見つける前にレジ袋を片手に井上さんが戻ってきた。早い!文字探しまでは協力戦だったので、回答時間に差は出ないかなぁという見立てだった。
果たして井上さんが導いた答えとは…? 北向「お前の子供は預かった 返してほしければ…」 井上「オススメのおかしを買ってこい!」 ダイジェスティブビスケットッ!!
正解!犯人はオススメのお菓子を食べたかったのだ。甘党なのかもしれない。
井上「カタカナをまず並び替えたら「オススメ」ができたんですよ。だから何かオススメのものを持ってくるんだろうなと思って」 井上「で、並び替えていったら「オススメのおかしを■ってこい」。「買」が見つからなかったけどあとは推測で」 すごい、名推理だ。 肝心の「買」はかなり小さく下段にあった
唯一の漢字で問題を解く鍵となった「買」。新聞に意外と「買」の文字がなく、他より小さい切り抜きになったのが勝敗を分けた。
オススメのおかしを買ってこい
ちゃんとクイズとして成り立つかなーと悩みながら前日に新聞を切り抜いていたけど、波乱あり名推理ありでなんだかしっかりクイズクイズしていて嬉しい。
よーし、勢いそのままに二問目に突入しよう。
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