
せっかく手ごろな価格で良いディスプレイが発売されたにもかかわらず、肝心のバックライトが
フリッカーセーフではなかったという、少し残念なことになってしまいました。
私の場合は別に気にならないだろうと思っていましたが、結構目が疲れて眠くなります。大画面で視野の広い領域を占めるということが、かなり影響していると思います。CRT時代に60Hzとか75Hzのモニタで目が疲れた、あの時と同じ「なつかしい疲労」です。まったく久しぶりです。当初、明るさ35で明るい部屋で使っていた時はあまり気になりませんでしたが、照明の都合で途中で25にしたからでしょうか。

最近、ファームウェアアップデートにより、LEDの駆動周波数が120Hzから480Hzにアップしました(Version 3.20,1.35)。
今回は、内部のLED駆動回路の出力電圧を測定してみました。波形はLow レベルで「点灯」です。やはり、視線を動かすと点滅は認識できますが、以前よりかなり改善されています。
これは「明るさ 0」。

こちらは「明るさ 100」。

時間差点灯もそのまま健在。2日ほど使ってみましたが、目の疲れは2日ではよくわかりませんでした。しかしフリッカフリーの場合と比較して少し違いはあります。ひょっとして画面全体が一斉に点滅するほうが良いのかもしれません。とにかく小さい画面のフリッカと大画面のフリッカでは、ずいぶん影響が違うようです。おそらく視線移動量とそのスピードが大きいからではないでしょうか。なお、視線移動がない場合は120Hzでも480Hzでも点滅は認識不能です。

「フリッカフリーの場合と比較して」とはどういうことや?と思われるでしょうが、画像のような定電流回路を作ってフリッカフリー化して、およそ一か月使っています。
特にこれといったハイライトはありません。LEDは6系統あるので定電流回路×6チャネル、輝度コントロールはPWM120Hzのデューティ比を電圧変換して定電流の目標値にしているので、改造前と全く同じ操作で明るさ変化できます。
43UD79のLED部は、不要な発熱を最小化するために電源投入時にLED電源電圧を最小値から最適値に徐々に上げて、以後固定する動作をします。ところが既存のLED駆動回路を使わないのでこの動作ができず、内部の電源が最大電圧のまま固定されてしまいます。そこで電圧を下げて捨てる熱を少なくするためのスイッチング電源を設けました。
また、LEDや電源回路の異常でパワートランジスタが通常時以上の電力負担となったとき、出力をシャットダウンするよう各チャネルに保護回路を設けました(過電圧、過電流、過電力)。無いよりはマシだと思います。

従来、画面上で物を動かすと、シャッター速度 1/30 では4つの像が観察できましたが...

フリッカフリーでは当然ながら連続した像となります。
LEDによっては小電流と大電流では発光の色味が変化してしまい、やむを得ずPWM方式を採用せざるを得ない場合もあるかと思いますが、それは無視して定電流駆動してみました。結果としては、目立った違いは無いように感じました。
昔のSpyder3を信用して計測すると、
・PWM駆動時 明るさ100から0の変化で100ケルビンの色温度上昇
・定電流駆動 明るさ100から0の変化で120ケルビンの色温度上昇
まあ測定誤差みたいなもので、色味については違いが認識できません。
色味の変化が小さいはずのPWMで測定値が変化するのは、オモチャの測定器の特性かもしれませんね。

従来、消費電力は明るさ100のときおおよそ66W程度でした。

フリッカフリー化の場合は追加回路の消費分が増加となります。今回の回路では明るさが同じならPWMのときとほとんど電力は変わりません。ただ、最初からフリッカフリーの機種では、出力トランジスタが捨てる電力を最小にするために、定電流動作に影響を与えない範囲でLED電源電圧そのものを可変することで、一層の省電力となっている可能性があります。

43UD79は、内部のLED駆動回路が今どきのフリッカフリーのものと似た構成となっており、回路を安価にするためにPWMとなっているわけではないようです。動作としては、最大輝度時+アルファ程度の定電流をLEDの電源とし、PWMで輝度調整するといったものです。6つの光源の輝度を揃える必要があるからでしょう。
とりあえずPWMで見切り発車したものの、単にフリッカフリーの実装が遅延しているだけなのでは?
PWM前提であっても高度な保護機能や制御のしやすさ等、総合的に考えるとこういう回路のほうが楽なのかもしれません。

やはり考えが足りないところが出てきます。スタンバイ状態のとき、基板上の電源回路をシャットダウンするように、機能追加しました。
長らく裏蓋を外して使っていましたが、ブラックアウト問題も経験せず、何も問題ないので本日閉じました。
釈迦に説法になりますが、研究される際は電圧が高いので注意してください。短絡・混触で一瞬で回路がパアになるかもしれません。また、LED電流が小さくても電力的には60W程度はありますので火災に注意!

LED電源電圧はPWMのときと同じに設定していましたが、この回路でも可変したらいいじゃないかということで、翌日、追加で電圧可変としました。裏蓋のつけ外しは大変ですが、これが最後ということで・・・
パワートランジスタのドレイン-ソース間電圧を2.5V程度に抑える制御をするので、発熱が大幅に減り、追加基板は冷え冷えになりました。
本来なら6チャネルすべてから最低電圧を検出すべきですが、あまりバラツキもないようなので簡易的に2つのチャネルだけにしました。
【良かった点】
製品にスペック上の誤りがあったが解決にむけて楽しむことができ、無事フリッカフリーにできた。これで、当初求めていたスペックをすべて満たすことができた。
ひとつの機種でPWMとフリッカフリーを比較することができたので、目の疲労軽減という点でフリッカフリーは非常に効果があるということが十分体験できた。
なぜかちょうどよい場所にネジが切ってあり、基板を容易に取り付けできた。
コネクタ差し替えで済ませるようにしたので、すぐに元に戻せる。
【悪かった点】
基板のサイズが少し大きいし電源用ICは単価が高いので、材料代が高くついた。
【なんとも言えない点】
分解したので、もともと「フリッカフリー」の回路らしきものが搭載されていることがわかったが、できればファームウェアアップデートでフリッカフリーを実現してほしい。
たまたま韓国の会社の製品だったからか、記事や動画が「反日」のキャンペーンに利用されたような気配がする。自分が使う機器の特性を理解し、使いやすいようにするのが目的なので、このようなつまらない記事まで見つけ出して勝手にキャンペーンに利用してもらいたくない。
分解したので、もはや保証など無い。十分遊べたので壊れても文句はないが壊れないでほしい...
【その後】
フリッカフリーは良い。何Hzの点滅なら気にならないか等の議論は不要。
モニタを新規購入するときは、フリッカフリーの機種を強く勧めます。
※ この製品はフリッカが気になって使い物にならないというわけではありません。フリッカフリーに改造してみようと思っただけです。
(2017.11.28)Windows10 Fall Creators Update でモニタを"LG ULTRA HD"にすると画面が非常に暗くなる問題を解消したドライバ(43UD79_Win10_R3_Driver)が、LGのサイトに現れました。
※ 基板の提供は終了しました。
※ まねしてみたけど、すぐにシャットダウンして動作しないという方へ。バックライトのLEDがつながっていないと異常とみなし保護回路が働くようなので、うまくごまかしてやる必要があると思います。