総合
[深層を訊く]危険学から見る福島第一事故/畑村洋太郎氏
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2018/04/02
5面
◇東京大学名誉教授 畑村洋太郎氏
司馬遼太郎の『街道をゆく』にならい、最近『技術の街道をゆく』を著した東京大学の畑村洋太郎名誉教授。持論の「3現」を地で行く技術の旅を描く。失敗学で知られ、東京電力福島第一原子力発電所事故で政府の事故調査・検証委員会(政府事故調)の委員長を務めた。私的に立ち上げた「危険学プロジェクト」の研究から「基準を守れば安全が実現すると考えるのは間違い。どんなに備えていても考え落としがある」と原子力界に警鐘を鳴らす。
◇『3現』を貫く
――『技術の街道をゆく』に込めたメッセージは。
「何の技術であれ、実物を見て、ものを考えるのが基本だと思う。文献を適当に集めて批判的な目で見れば、大事なことが分かると信じている人がいる。僕には文献学、文書学に映る。大事なのは『3現』。現地、現物、現人(げんにん)だ。現地に行き、現物に触れ、現場の人に会って議論する。この3つをやらないと、事実を引き出し知識を得ることはできない。物心ついてから、商売替えしても『3現』を、ずっと続けてきた」
「その都度、自分なりに書き留めたメモ類が相当な量たまっていた。見える形にしたいと思っていたら、岩波書店から岩波新書創刊80年の出版の話があった。担当の編集者は僕がメモ類をためているのをよく知っていたから、面白そうなものを拾い出して本にした」
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