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若者の長時間労働から質重視へとスタートアップの働き方が変わってきた理由

2018.04.2

メルカリが変えたスタートアップの働き方

以下のツイートが昨日拡散されましたが、やはり一般的にもスタートアップやベンチャーの働き方について、変化が起きているということに共感頂ける方が増えてきているのではないかと感じています。

また、日々ハイスキルなエンジニアのプレミアム転職サービスFindyを通じて、ユーザーインタビューや企業クライアントに営業するを中でも同様のことを感じております。

私自身も20代半ばはレアジョブというオンライン英会話のスタートアップに所属していました。日々の仕事は非常に楽しかったのですが、未経験のオペレーションに追われていたこともあり、割と長い時間働いていました。それでも成長率がものすごく高かったので楽しくてしょうがなかった記憶が残っています。(いまの古巣は全く異なりますのでご安心ください。)

拡散されたツイートと同様に「若者が、長時間、全力で働いて大手にも負けないスピードで勝つ、という世界観」で働いており、自分も含めて多くが20代の若者でスキルはないけれどもガッツはあるというメンバーが全力で働いていました。その結果、サービスを伸ばし、或いはなんとかサービスを維持しているというのが社員数50人ぐらいまでの時期でした。

ただ、今思えば効率性、あるいは組織を拡大していく上でのスキルや経験というものはかなり足りなかったというのを感じています。実際に、その後社内的には混乱し、スキル・経験のある大人が数人入社してくれていなければ、会社の存続が危なかったような気がします。

例えば、私自身はリーダー格だったのですがマネジメント経験も全くなく、正直成長していく組織に自分が能力的に追いついているイメージもありませんでした。そこを時間と言う若い頃に最も使いやすい資産でカバーしていただけのような気がします。

しかしながら、上のツイートにも書いたようにメルカリさんがある意味でそういった世界観を変えたという認識を私自身も持っています。もともと創業メンバーがシリアルアントレプレナーであり、また初期からスキル・経験のある大人も採用している印象だからです。

また、そうした採用の流れ、そのためのスタートアップやベンチャーの働き方の見直しは、非常に理にかなっていると感じています。その理由について以下に書いていきたいと思います。

プロダクトの立ち上げに技術やマーケ等の専門スキルが必要になってきた

まず、第1にスタートアップの立ち上げにおいて最も採用したい層がガッツがある若者から技術やマーケティング、あるいはファイナンスなどスタートアップを伸ばすための専門的なスキルや経験を持っている人に変わってきたからというのが大きいのではないでしょうか。

また、2000年以降成長してきたスタートアップというエコシステムの中でそう言った経験値を持っている人が増えてきたというのも、一つの理由です。

更に、DeNAさんやグリーさんが2010年前後から推進してきた、優秀な新卒の採用という文化がネット業界に入ってくる中で、彼らも同様に技術やマーケティング力を身に着け即戦力人材になってきていることも起因しています。

実際に自分でスタートアップを立ち上げてみても20代のあまり効率が良くなかった頃の長時間労働という働き方よりも、どちらかというとしっかりと会社やサービス、技術面を設計した上で進めていくという能力の方が役に立っていると強く感じています。

即戦力人材が子育て世代に入り、長時間労働が無理になった

次に即戦力人材が子育て世代&共働き世代に入ってきていることも大きく影響しています。ハイスキルなエンジニアのプレミアム転職サービスFindyを立ち上げ後、企業クライアントにインタビューをする中で、あるいはFindyでも採用活動する中で、30前後の優秀な層は当然のことながらどの会社でも採用したい層になってきていると感じています。

そして、彼らがスタートアップやベンチャーに挑戦する上でひとつの判断軸になるのが収入面、更には子育てや共働きといったところも見据えた上での、働き方が重視されるようになってきました。実際に採用活動をしていると単純に年収を上げてほしいよりも、子供の送り迎えや介護・妊活への理解を重視したいという方も増えてきている印象です。

そうした社会的な背景を踏まえて優秀な人が賃金だけではなく、働き方を踏まえて転職先を決めるということが増えてきている印象です。

上を2つの理由を含めてこんなツイートもしています。

クラウドサービスが増えて仕事の効率化が可能になった

社会的な背景だけでなく、プロダクト開発やスタートアップの立ち上げ面においてクラウドサービスが増えて、長時間働くことで開発を加速させるや業務量をこなすことよりもクラウドを工夫して使いこなす方が事業立上げのスピードが上がりやすくなってきたことも理由の一つです。

例えばサービスのインフラ構築の面でも AWS がある時代とない時代では、かなりサービス開発のスピードが変わるのではないでしょうか。またマーケティングやアカウンティングなども同様で、例えばFindyでも使っているのですが、お問い合わせフォームや営業活動の可視化ツール、会計システムなども全てクラウドサービスを使うことで安価に効率化が可能になってきています。

それらを使いこなすことができれば私が20代前半で体験をしたような長時間働くというようなことをしなくても、同じかそれ以上の水準の仕事をこなしていくことができるようになってきたと感じています。

仕事と遊びの境目がなくなってきた

また、仕事と遊びの境目がなくなってきたことも大きな変化ではないでしょうか。これは個人が発信をし、その結果が組織そのものを強くするという時代背景を反映していると考えています。

例えばFindyの事業ドメインである採用という分野に関しても、最も採用活動に優れている人は個人としての発信者とイコールになりつつあります。具体的にはTwitter や Instagram といったツールでフォロワーを抱えている人の方が、圧倒的に採用活動上有利に働くのではないでしょうか。

つまり組織力だけではなく、発信できる個人の集合体としての組織の方が強い時代になっています。そしてその発信内容自体は必ずしも仕事だけとは限りません。むしろ仕事の話しかしない人に大きな魅力を感じる人は少ないのではないでしょうか。つまり仕事と遊びの境目なくエンジョイしている人のところに成果が出やすくなってきていると言えます。

これはこれで労働時間の管理やあるいは、ワークライフバランスの適正面などを含めると正しいのかどうかと言うのはありますが、現実的にはそういった部分もでてきています。

スタートアップの投資金額が大きくなり給料が増え大人が参画しやすくなった

最後にスタートアップへの投資金額が増えた結果、相対的に初期フェーズの給与が上がり、一定以上の経験を持っている人もスタートアップに挑戦しやすくなったという背景もあります。当然のごとく、彼らも労働時間よりも質重視です。

数十億円規模で調達しているスタートアップになると給与水準はメガベンチャーや大手企業と遜色ないレベル感ですし、更にはストックオプションという将来的な価値を踏まえると逆転してくるというケースもあるのではないでしょうか。

個人的には優秀な人材が中程度のリスクを取って新しいことに挑戦する機会が増えればイノベーションやプロダクトの進化が、起きやすくなると考えており、非常に良い傾向だと考えています。

上記のような理由からスタートアップやベンチャーの働き方が長時間労働という枠組みから離れ、経験豊富なエンジニアやマーケターが自発的かつ効率的に働き勝つという新たな世界観に変わってきているんだと感じています。また、本当にそのスタートアップが事業成長と働き方を両立できているかを見極めるために、副業からジョインして見極めたい方も増えており、「副業エンジニア向け単価保証型の案件紹介サービスFindy副業」をリリースした経緯もあります。これらの世の中の状況を反映した転職メディア作りというところも意識して今後のプロダクトの改善をしていきたいなと感じています。

ちなみに最後は「世界線」って言いたかっただけです。はい、STEINS;GATE、大好きですw

(@yuichiro826)

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