このトランプ潰しの陰謀の裏にはジョージ・ソロスがいる?
Nick Giambruno, “Is George Soros Behind This Plot to Topple Trump?” LewRockwell.com, (July 31, 2017) https://lewrockwell.com/2017/07/nick-giambruno/plot-topple-trump/
体制派がドナルド・トランプをはめている。
主流派メディアが彼を憎悪する。ハリウッドが彼を憎悪する。「知的だが白痴」な学界階級が彼を憎悪する。
最も致命的なこととして、CIAが彼を憎悪する。そして、国家内国家(Deep State)のその他の者たち、あるいは塹壕に立て篭もる終身の「国家安全保障」官僚も。彼らはトランプを政権から遠ざけるためにできることなら何でもやった。そのどれもうまくいかなかった。
わたしが思うに、CIAがトランプを憎悪するのは実に単純な理由である。彼は彼らの生活費を取り除くよう脅かしているからだ。
トランプはプーチンとロシア人に愛想よく振舞いたい。しかし、いわゆる「ロシアの脅威」に反撃することが数千人もの国家内国家官僚の生計の立て方である。
これらの人々は1兆ドルプラス軍事/安全保障予算のお鉢から糧を得る。ロシア人との愛想の良さは彼らの仕事を潰すだろう――彼らの生き方を絶つだろう。
トランプは言った。
わたしたちはついに、過去の過ちから学ぶ新外交政策を追求します。〔他所の〕政権を潰して〔他所〕の政府を転覆するのは止めましょう。
政権潰しはCIAのパンとバターである。彼らが彼を憎むのも不思議ではない。
もちろん、感情は相持ちである。トランプは「インテリジェンス・コミュニティー」を記述するためにたくさんの厳しい言葉を使ってきた。報道によれば、彼はCIAの抜本的リストラクチャを狙っている。
ジョン・F・ケネディーのCIAとの戦い
ドナルド・トランプはCIAに公然と取り組んだことにかけてジョン・F・ケネディー以来初の大統領である。キューバのピッグス湾での大失敗へと担がれたあと、JFKは「CIAをばらばらに引き裂いて窓から撒き散らして」やりたいと述べた。
ケネディーはCIA長官アレン・ダレスを首にした。しかしそれが彼の精一杯だった。
もちろん、JFKは国家内国家の権力掌握を破ることに失敗した。皮肉にも、アレン・ダレスは後にケネディー暗殺のウォーレン調査委員会に指名された。
CIAは世界中のクーデタを指揮する、異論の余地なき前代未聞のチャンピョンである。そのレーダーは今まさに、トランプを真ん中に捉えている……。
国家内国家はドナルド・トランプをどう降ろすか
わたしのみるところでは、国家内国家はトランプに対して切る三枚の主なカードをもっている。一つがうまくいかなかったら、次のを切りに移るだろう。
1 脱正統化カード
2 ハーバート・フーバー・カード
3 ジョン・F・ケネディー・カード
脱正統化カード
このようなジョークがある。
問い:なんでアメリカじゃあ「色の革命」が起こらないんだ?
答え:アメリカにはアメリカ大使館がないからだよ。
このジョークで笑うには、過去十七年間アメリカ合衆国が――アメリカ大使館を拠点とするCIA職員により――多用な色コードの革命を、実はクーデタを、指揮する際に果たした役割を理解しなければならない。
l セルビアのブルドーザー革命(2000)
l グルジア(ジョージア)のバラ革命(2003)
l ウクライナのオレンジ革命とユーロマイダン革命(2004と2014)
l キルギスタンのチューリップ革命(2005)
l レバノンのシーダー革命(2005)
l ベラルーシのジーンズ革命(2006)
l ミャンマーのサフラン革命(2007)
l イランの緑革命(2009)……しかしこれはうまくいかなかった。
l モルドバのグレープ革命(2009)
l マケドニアのカラフル革命(2016)
これらすべての人工芝革命は一点で共通する。どの事例でも、ジョージ・ソロスのNGOが標的政府の脱正統化を促していた。
もちろん、それらの政府に対する妥当な苦情はあった。しかしアメリカ国家内国家はそれらの状況を地政学的アジェンダの前進のために操作したのである。
さあ、これがそのやり口だ――ソロスのNGOが「職業抗議者」に資金提供してこれを組織する。ついで、彼らは他人をその大義の下に集めるために色特定的なブランド統一を用いる。
ソロスは色付き諸革命を科学に変えた。その様式は予言可能である。
CIAとジョージ・ソロスのNGOは「色の革命」を、ちょうど多数の外国で行ってきたように、アメリカでも始めようとしている臭いがする。
アメリカの色の革命はすでに色付いている。それは赤と青(すなわち、赤い州と青い州)の混ぜ物、紫だ。
近年、ヒラリー・クリントンは紫好きを伸ばしてきた。彼女は選挙以来ほぼすべての公的露出で紫を着る。
――ヒラリー・クリントンの敗北演説。彼女の紫のブラウスとビルの紫のタイに注目せよ。
また、紫色をポストするソーシャルメディアの洪水がある。このように、ブランド統一はすでに済んでいる。もちろん、ジョージ・ソロスに援助され組織された職業抗議者はすでにいる。
またも、トランプに対する妥当な不満はある。しかしユージュアル・サスペクツ〔いつもの容疑者。敷衍して、いつも特殊な文脈で現れる者たち〕は好きじゃない政府を除去するためにいつものトリックを使っている。今回は、標的政府が東ヨーロッパや中東ではなくワシントンDCにあって起こるだけのことだ。
わたしは国家内国家がトランプを脱正統化カードだけで取り除けるとは思わない。なので彼らは次の手立てへとエスカレートするだろう。
ハーバート・フーバー・カード
人々は、フーバー大統領を考えるとき、概して大恐慌のことを考える。
一九二〇年代を通して、連邦準備の緩和通貨〔あぶく銭〕政策は膨大な株式市場バブルを創造した。
一九二九年八月、FEDは利子率を上げて事実上緩和信用を終わらせた。ほんの数ヵ月後、バブルは弾け、一九二九年十月、ブラックチューズデーと相成った――フーバーが政権に就いてからたった七ヶ月である。その日、ダウは12%以上失われた。
それは今日に至るまでアメリカ合衆国の最も破滅的な株式市場崩壊であった。また、それは大恐慌の始まりを合図した。
これはフーバーの番のときに起きた。そしてそれゆえ、人々は彼に罪を擦り付けた。どこに責任があるかなんて関係ない。
フーバーは、――FEDのあぶく銭政策が煽り立てた――株式市場バブルがそのピークのときに受け継いだ。
わたしが思うに、トランプも同じである。そして彼はそれを知っている。ここ数ヶ月、彼は株式市場を「でかく、太く、醜いバブル」(big, fat, ugly bubble)と呼んでいた。
このバブルがトランプの番で弾けたら素晴らしい。そして民主党員は彼に罪を擦り付ける。ちょうどフーバーのときに同じように。
この手がダメでも、国家内国家は奥の国家はもう一手残している。
ジョン・F・ケネディー・カード
豪腕の民主党員上院議員にして典型的なスワンプ・モンスタ(アメリカの河童)であるチャック・シューマーは近年、テレビでトランプとインテリジェンス・コミュニティーとの戦争について討論した。
シューマーは言う。「あなたがインテリジェンス・コミュニティーを引き受けたら、彼らは日曜日から六つの方法であなたに仕返しできます」。
彼が仄めかしていることを理解するにはそれほど大それた想像力を必要としない。
もちろん、国家内国家はトランプを暗殺しようとするだろう。その可能性が彼の頭をよぎっているのは明白である。彼はシークレット・サービスのプロテクションを忠実なプライベート・セクリティーで増補するという並々ならぬステップを取っている。
国家内国家の対トランプ戦争は可能な結末がたった三つしかない。
l トランプが国家内国家を打ち破るか。
l 国家内国家がトランプを取り込むか。
l 国家内国家がトランプを打ち捨てるか。
現状では、トランプが国家内国家を打ち破ることはありそうにないと思われる。そrは数十年間立て篭もっていた。大統領よりはるかに強力である。
また、国家内国家がトランプを取り込むこともありそうにない。屈服して腹を見せることは彼のパーソナリティーではない。彼は単なるもう一着の空っぽなスーツではなく、大統領になるために掛けた手を一つも覆しはしなかった。
国家内国家は次のハーバート・フーバー・カードを切るだろう。しかしそれが効かなかったら――あるいは、国家内国家がそわそわし始めたら――彼を打ち捨てるためにありとあらゆる手段を取りにかかるだろう。
国家内国家はトランプの公職最初の百日間ですべてを唐突かつ予想外の方向へ変えるような動きを計画している。『ニューヨークタイムズ』ベストセラー著者・ダグ・ケイシーとわたしは、これがすべてどう落ちていくか説明する時間期限付きのビデオ[1]をまとめた。