西洋価値観は優れている。ウォルター・E・ウィリアムズ
Walter E. Williams “Western Values Are Superior,” LewRockwell.com, (July 26, 2017) https://lewrockwell.com/2017/07/walter-e-williams/western-values-superior/
さあ、これがドナルド・トランプ大統領のポーランドでの演説だ――「我々の時代の根本的な問題は西洋が生き残る意志をもつか否かです。我々はいかなる犠牲を払ってでも〔我々自身の価値観〕を守るよう、我々自身の価値観を信じていますか? 我々は、〔我々自身の文明〕を転覆し破壊しようとする者を前にして、我々自身の文明を維持しようとする願いと勇気をもっていますか?」
ポーランド人には暖かく受け入れられたこの演説の後、大統領は予想どおりの批判にぶつかった。批判のほぼすべては批判者側の酷い無知と不誠実を反映している。
その無知の一例は、編集者でありニューヨーク市大学ジャーナリズムと政治科学の准教授であるピーター・バイナートPeter Beinartにより、『アトランティック』で執筆された。バイナートは言う。「ドナルド・トランプは『西洋』に十回、『我々の文明』に五回言及した。彼の白人国民主義支持者は彼が意味するところを正確に理解するだろう」。彼は語り続ける。「西洋とは人種的宗教的用語である。西洋であるとみなされるためには、国土は概してキリスト教徒(プロテスタントかカトリックが望ましい)及び概して白人でなければならない」。
知識人エリートは異なる諸文化と彼らの価値観が道徳的に同等であると論じる。馬鹿馬鹿しい。西洋文化と価値観は他のすべてより優れている。わたしはそのような言明は非真実であるか人種主義とヨーロッパ中心主義の臭いがすると主張してきた者に対してささやかな疑問を抱く。サブサハラ・アフリカと中東の約三十国で実践されている強制的女性器切除は、道徳的に同等なる文化的価値なのか。モーリタニアとマリ、ニジェール、チャド、スーダンで実践されている奴隷制は道徳的に同等なのか。中東のほぼ全域には、女性を縛る、運転と雇用、教育の禁止のような膨大な制限がある。イスラム法の下、幾つかの国では女性姦通者は投石〔訳注:stoning。石やコンクリなどを叩きつけること〕で殴られて死に臨む。泥棒はその手に厳しい罰を受ける。幾つかの国では、同性愛は死で処罰可能な罪である。文化的価値観は道徳的に道徳なのか、西洋価値観より優れているか、それとも劣っているか?
トランプは幾つもの決死の疑問を立てた。「我々の時代の根本的な問題は西洋が生き残る意志をもつか否かです。我々はいかなる犠牲を払ってでも〔我々自身の価値観〕を守るよう、我々自身の価値観を信じていますか? 我々は、我々自身の国境を保護するため、我々自身の市民に十分な尊敬を抱いていますか? 我々は、〔我々自身の文明〕を転覆し破壊しようとする者を前にして、我々自身の文明を維持しようとする願いと勇気をもっていますか?」西洋が自らを保護するための軍事力をもっていることには疑問の余地がない。問題は、我々が攻撃を認識する知能と我々自身を全滅から防衛する意志をもつか否かである。
イスラム教世界の大部分は西洋文明に対して交戦中である。イスラミストは西洋とキリスト教の価値観を攻撃するためのフットインザドアとして多文化主義を使う。その攻撃の大部分は我々の若者たちを思想教化する知識人エリートの大学キャンパスに根を付けている。多文化主義は西ヨーロッパ諸国――イギリスとフランス、ドイツ――でなした害をまだアメリカでは成し遂げていない――が、その途上である。
わたしの同僚トーマス・ソウル博士は問題の幾つかを暴露する。彼は言う。「イスラム世界の者たちは数世紀の間、自分たちは西洋の「不信心者」より優れていると看做すよう教わってきたが、彼らが自分たちの目で見るものは悉くさにあらずと告げる」。彼は続けて言う。「イスラム世界の人々より状況の逆転を人民全体で可視的かつ悲痛に感じるところはない」。かつて文明の頂にいたペルシア人とアラブ人のような人々で、幸運の逆転を潔く受け入れる人々はわずかである。そのうえ、彼らは彼ら自身と彼ら自身の文化を非難しない。彼らは西洋を非難する。
ところで、西洋価値観を保持するために西洋人である必要はない。他のすべてに勝る個人の高潔さを受け入れるだけでいい。