地球温暖化ポルノ―コンピューター生成シナリオ中毒

Gary North - July 12, 2017 “ Global Warming Porn: Addiction to Computer-Generated Scenarios,” https://www.garynorth.com/public/16867.cfm

それで、あなたは地球温暖化宗教の傍流を理解したい。わたしにはそれが分かったと思う。

第一に、三万一千人の科学者が、人為的排出と地球温暖化の間に何らかの関係があるというのは証拠不十分であると言う陳情書に署名した。それはここ[1]で読める。要するに、地球温暖化シナリオはその全体がファンタジーである。

[1] http://www.petitionproject.org/

第二に、本当に黙示録的な記事がニューヨーク・タイムズに掲載されており、それは主流派リベラル〔モンダ・リベラル〕に宛てられた主流派サイトである。こういうわけでこの記事が重要である。それはかくも完全に主流派なのである。それは到底黙示録以外の何かではありえない見出しで始まる――「居住不可能な地球」(The Uninhabitable Earth)[2]。見出しはこうだ。

飢饉、経済崩壊、我々を焼く太陽:気候変化が台無しにするもの――あなたの思考より早く。

著者はデイヴィッド・ウォレス=ウェルズ。誰? 彼はウィキペディアのページにはいない。我々が知っているのはこれだけだ――彼はニューヨークで暮らす著述家である。[3]

第三に、もう一つの主流派リベラル〔モダン・リベラル〕広報誌『アトランティック』の著者による即時の異議があった。彼はあと一歩で黙示録だった。彼は考えるべきことをただ知らないにすぎないと言う[4]――「しかしわたしは最後の審判か否かの問題にはかなりの躊躇いをおぼえる」。彼は愚痴る。

気候科学者が言う世界はもっと現実的であるとしよう――海水面が発展世界内外の大量移民を起こすところ、経済が大きくはないが滅茶苦茶でもないところ、投票者が生活を心配し、超権力が互いの弱みをつつき合うところだ。

その世界は生きるには安心で安全には聞こえないか? そこはうまくいく現状には聞こえないか? それらすべてが有望する前にこの世界で幾つ小さな戦争を始める必要がある? 九つの別々の国々が一万五千個の核兵器を持っているときに天体殺しのメタンのゲップを必要とするか? 要するに、心配すべき審判の日シナリオはたっぷりあるのである。破滅を引き起こすためにうつ伏せになって破滅的である必要はない。

これが主流派リベラル〔モダン・リベラル〕雑誌の最善の反論であるとしたら、最初の記事は確かに主流派である。

これらの人々は自作ファンタジーの世界に生きている。彼らはダニー・ケイが記述した女性の化身である――「彼女の大好きな立場は彼女自身の側であり、彼女の大好きなスポーツは結論にひとっ飛びすることである」。

熱した空が落ちてくる

単に地球温暖化が怖いだけなら、あなたは楽観的なファンタジーの世界に住んでいる。

地球温暖化の不安が海水面上昇の恐怖に支配されているならば、あなたはそのありうるテロルの表面を引っかいているにすぎず、今日の十代の若者にとってさえその一生涯の間に起こりうることとしては皮相的である。とはいえ、地球温暖化の図に海のうねり――それで呑み込まれる都市――が加わり、他の脅威の知覚を妨げて、気候パニックに対する我々の能力を圧倒するとき、多くのことがもっと手短になる。海が登るのは悪いし、実際とても悪いが、しかし、海岸線を感じることは十分ではなかろう。

実際、数十億人がその生活を有意な調節しないかぎり、今世紀の終わりもの早きにおいて、地球の諸部分は居住不可能に近くなり、他の部分も恐ろしく住み難くなりそうであるらしい。

ところで、これらのいずれかを実際に信じている者はほとんどいない。そうであったら、想定の上では破滅するそれら領域の不動産価格は、人々が死ぬとき石のように下落するだろう。これは黙示録的ポルノなのだ。誰も真剣には受け取っていないが、リベラルズ〔モダン・リベラル〕の多数はそれをニタニタ見つめるのが大好きだ。彼らは大きな夢を夢見たがる。彼らは大きな計画を計画したがる。

しかしあなたがどれほど精通しているかに関わらず、あなたの心配が十分でないことは確かである。過去数十年にわたって、我々の文化はゾンビ映画やマッドマックスのディストピアのような、おそらく気候不安に立ち退いたその集団的結果、黙示録的なものを通り過ぎているが、現実世界の温暖化危機を思弁する段に入るや、我々はいまなお信じがたいほどの想像力の懈怠を患っている。その理由は多い。気候学者ジェームズ・ハンセンは科学者たちが自身の観察を現実にはその脅威がどれほど差し迫っているかの伝達に失敗するほど意識的に編集するかどで科学者たちを折檻する論文において「科学的寡黙」と呼んだ、科学的蓋然性の臆病な言語。また、どんな問題も解決できると信じ、温暖化を問題視しない対立文化に対処する必要があると信じる神権主義者の集団にこの国が制覇されているという事実。はたまた、科学者をして思弁的警戒を発する際に一層慎重にさせる気候否認主義のあり方。

なので、科学者たちは隠している。彼らは実際には信じていることを書いていないらしい。この著者はこれをどう知ったのか? 彼は言わない。読心術の使い手なのだろう、たぶん。

この著者は、誰であれ、どんな資格にせよ、こう言う。

科学的寡黙とサイエンス・フィクションの間には科学それ自体がある。この記事は気候学者と関連分野研究者との数十件のインタビューと意見交換の結果であり、気候変化の主題での数百件の科学的論文を反映している。ここから出てくるのは何が起こるかの一連の予言ではない――それは概してあまり確実ではない人間反応の科学により決定されるだろう。出てくるのはむしろ、この天体が不在の攻撃的活動の先導に立っていることについての、我々の最善の理解の描写である。これら温暖化シナリオのすべてが完全に実現することはありそうにない。なぜならば、その道に沿う破滅は我々の自己満足を揺さぶるからである。しかし、現在の気候ではなく、それらのシナリオがベースラインだ。事実、それらが我々のスケジュールなのだ。

彼は数十件のインタビューに託つ。(誰と? どうおこなった? どこに記録が?)

我々は何に直面しているのか? これだ。

現在の気候変化の緊張――我々がすでに未来に焼き付けてしまっている破壊――は十分に恐ろしい。

我々の未来に焼き付けて。何をか分かるか? 彼は無数に分かった!

人々のほぼ全員がまるでマイアミとバングラデッシュが今なお変化を生き延びているかのように語る。わたしが話した科学者のほぼ全員は、次の十年間化石燃料を燃やすのを止めてもそれらが一世紀以内に失われるのは当然だと思っている。

世界はマイアミ・ビーチを失うらしい。ニューヨーク市の引退者はどこに移り住めばいいんだ?

バングラデッシュではない、と我々は教わる。

我々は何に直面しているのか? ここで記事の小見出しだ。一、審判の日。二、熱死。三、食料の終わり。四、気候病。五、吸えない空気。六、永遠の戦争。七、永久の経済崩壊。八、毒の海。

彼は問う。

インド人小説家アミタヴ・ゴーシュは最近の一冊分の長さの論文『大撹乱』で、なぜ地球温暖化と自然災害が現代小説の主な主題になっていないのか不思議がった。なぜ我々は気候災害を想像できていないのか、彼が基本的に半ば存在を想像し「環境の怖い話」(the environmental uncanny)と名付けるジャンルで小説の続発はなぜまだ起こっていないのか。

明らかな答えはある。そのフィクションは小説の必要、または需要がないほど、公式シナリオが圧倒的なのである。

確かに、この盲目は続かないだろう。我々が住むつもりの世界はそれを許さないだろう。七度暖かい世界では、地球のエコシステムは我々が「天気」と呼び始めるほど多くの自然災害を起こしながら煮えたぎっているだろう。制御不可能な台風とトルネードと洪水と旱魃の恒常的な大群、この天体はつい最近まで、諸文明全体を破壊していた気候事象で、定期的に我々を襲っていた。

希望はどこに?

科学者たちは、パリ目標を達するだけでさえ、二〇五〇年までに今なお増え続けているエネルギーと産業からの炭素排出が毎年半減しなければならないこと、土地使用(伐採や牛のオナラなど)からの排出はゼロにしなければならないこと、植物全体が今吸収している量の二倍もの炭素を毎年大気中から抜き去るテクノロジーを発明しなければならないことを、知っている。

パリ目標はすでに挿げ替えられた短期の政治家により有意味であると肯定された国際連合の公的関係の離れ業である。今はトランプ大統領が保留にしている。真夜中まであと五分だが、地球温暖化アジェンダは四年間冷蔵庫に入れられた。

しかし恐れる必要はない。人類の創造性はここだ!

にもかかわらず、概して言えば、科学者たちは人間の創意工夫に膨大な確信をもっている――おそらく彼らの気候変化の評価に下支えされた確信だ。結局、気候変化もまた人間の発明なのである。彼らはアポロ計画を指摘する。一九八〇年代にオゾンの穴に継ぎを当て、相互確証破壊の恐怖を経過した。今では、我々は我々自身の審判の日をエンジニアリングする仕方を発見したし、確かに、あれやこれやとエンジニアリングする仕方を発見するだろう。

来週に続く!

わたしの若い頃は、子供たちが次の火曜日の朝にポップコーンとキャンディーを買いに戻ってくるようにと、映画館で毎週放映の低予算シリーズがあった。西洋ヒーローがいた。犯罪取締り人がいた。サイエンス・フィクションのヒーローがいた。毎週、ヒーローは終わりの頃に罠にかかっていた――そう、ダメージが入らないスーパーマンでさえ。(ロイス・レーンが地に塗れたとして、誰か気にするか?)しかしヒーローは次の章の始まりではいつも死の罠から抜け出していた。

いつも希望があった。しかしヒーローが章の終わりにどんな危機にぶつかるか、みんなで楽しみにしていた……たとえ次の週にはあっけなく解決するとしても。それはポップコーン・ポルノだった。前から始まっていた。

今もやっている。

結論

これは酷い記事だ。地球温暖化狂信者を麻痺させるためにこれよりうまく計算されているものを、わたしは何一つ想像できない。「みんなおしまいだー! もうどうしようもねえよ……おおっ! すっげーー!!」

その気違いじみた評価を立証するために掲載されている数十件の記事はどれもこれと同じであると思う。

これは黙示録ポルノだ。

[2] http://nymag.com/daily/intelligencer/2017/07/climate-change-earth-too-hot-for-humans.html

[3] http://www.slate.com/authors.david_wallacewells.html

[4] https://www.theatlantic.com/science/archive/2017/07/is-the-earth-really-that-doomed/533112