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暇人、魔王の姿で異世界へ ~時々チートなぶらり旅~ 作者:藍敦

十四章

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三百二十五話

(´・ω・`)六巻文庫版も電子書籍版も発売中ですん
 そして、約束の日が訪れた。
 三日間の猶予を与えられ、今出来る全ての事を、再現可能な全ての物を揃えた。
 後は、今日この時にそれらを使い、この腕を振るうのみ。
 思えばこの世界に来てから、純和風な味付けや郷土料理には多少手を出したが、本格的な和食には触れずにやってきていた。
 それは『受け入れ難いだろう』という思いも勿論あったのだが、自分自身が忌避していた……というのが正直なところだと思う。
 好きな物を好きでい続けるのは……難しいのだ。それはきっと、大人ならば誰しも気がつく真実。
 だが……俺は今日、本当の意味でこの腕を振るう事になる。
『地獄を見せる』か。そうかい、俺にそれを言うのかい。

「さて、じゃあ境内の広場に向かおうか」
「あの……本当にアシスタントは必要ないのですか……?」
「そうだよ。私だって……たぶんじゃがいもとゆで卵くらいなら潰せるよ?」
「いやぁ今日はその二つの出番はないかなぁ。……今日作るのは、今まで二人には見せていない、馴染みのない調理法ばかりだからね。最低限の手伝いだけさせるとなると、相手方、ヒモロギに何か言われるかもしれないから」

 それに、たぶんきっと、誰かを気遣う余裕がなくなってしまうから。
 そんな俺の側に、二人を起きたくはないから。

「カイヴォン。まぁ……連中は裏工作紛いの事もしてくる連中だ。万が一だってあるが――その時は俺に任せろ」
「ああ、任せた」

 まさか、この世界に来てこの緊張感を、この闘争の空気を再び身にまとう事になるとは。
 こめかみに力が入る。顔から表情が消えていくのを自分でも感じる。
 指の付け根に意識が集中し始める。変わる。自分自身の変質を感じる。
 その気合が抜け落ちぬ間に、会場へと向かうのだった。



「カイ殿がお見えになりました」

 布施屋の職員に呼ばれ、境内に作られた特設厨房へと通される。
 手軽に屋外に本格的な設備を設置出来るという、魔導具の利便性を改めて知らしめられる程に、大規模なその厨房。
 この広さを自分一人で切り盛りする事になるのか。
 周囲を見れば、離れた位置にこちらと同じ設備が備え付けられ、そこには先日の使者、そして今日の競い合いの相手であるシミズが、部下と思われる人間四人に指示を飛ばしているところだった。
 更にこの場を囲むように儲けられたスペースには、観覧席として敷物が敷かれ、多くの職員やここの利用客、そして恐らく外から見物にきた住人がこちらを見守っている。
 そして――壇が用意され、そこに本日審査をする事になる、恐らくこの都の重役が六人、席につきこちらを値踏みするような視線を向けていた。

「男性五名に女性一名か……あれは……アリシア嬢の母親、なのかね」

 その中の一人。彼女によく似た黄金の化身とも呼ぶべき、絶世の美女。
 長命故に外見年齢の変化が乏しいのか、姉と言っても差し支えのない女性の姿。
 アリシア嬢に比べて、どこか近寄りがたい空気を纏うその表情に、思わずつばを飲む。
 いやはや……美人すぎでしょう。正直あの第三の解放者『ミサト』ですら霞む程だ。
 けれども、不思議と胸が高なったりはしないようだ。
 いや、むしろ感情が完全に理性でガードされている、そんな心境だった。

「さて、本日お集まり頂きましたのは、近く開かれるセリューとの懇親会にて振る舞われる料理担当者に対し、本日お見えになられているアカツキ様のご息女、アリシア様からの異を受けての事にございます」

 しん、と静まり返った会場で語り始めるのは、あの男『ヒモロギ』だった。
 その口上は意外な事に、こちらを貶めるような内容ではなく、どこまでも公平な物に感じた。
 こちらがアリシア嬢の手配した料理人である事、こちらが今回多くの高級食材を手配した事、そしてこの競い合いの結果次第では、アリシア嬢へのある程度の自由行動……まぁあくまで懇親会の手配などの権限を渡すという意味でだが、それも約束された。
 そして最後に俺達が料理人として懇親会へ出席する事も。
 元々は元代表の生誕祭として、その元代表に料理を振る舞う役目だったそうだ。
 だが、そこにヒモロギの提案によりセリューとの会席も設けようという話になったのだ。
 つまりこの勝負に勝てば、元代表と面会する事が可能だと。

「では、これより制限時間二時間を使い、審査員六名分の会席料理を作って頂きます。それぞれ持ち場についてください」

 さぁ、余計な思考はここで一度切り捨てろ。ここからは久方ぶりの俺の戦場だ。
 認めたくないが今の俺は一流には至れぬ身だ。どこまで食らいつけるか、そして――どこまでそちらがやれるのか、試させてもらうぞ。







「……なんて顔で料理してんだよアイツ」
「なんだかおかしいよ、いつもはあんな風じゃないのに」
「ですが……あの動きはいつもの比ではありません……本当に包丁の先が見えないなんて」

 私が初めてカイくんの料理を食べた時の事は、今でも鮮明に思い出せる。
 私の家に住む事になって彼が、せめてもの恩返しにと、私以外が決して立つ事のなかったキッチンに立ってくれた。
 凄く、凄く嬉しかったんだ。何かをしてもらうなんて、本当に気が遠くなるくらい昔の事だったから。
 ご飯なんてお腹が膨らめば良い、ただ空腹を満たすだけのものだって割り切っていたんだ。
 でも、彼は、カイくんは『恩を返したいんだ』って、凄く優しく笑いかけてくれたんだ。
 楽しそうに、嬉しそうに、ニコニコ笑いながら美味しい料理を作ってくれたんだ。
 けれど――今のカイくんの顔は、凄く、凄く恐かった。
 鬼気迫るような、真剣を通り越して、どこか殺意や憎しみすら溢れ出しそうな、そんな顔。
 けれども、確かにその動きは私が見たことのない、まさに絶技と呼べるようなものだった。
 こちらが呼吸を忘れている間に、お野菜が大きな花にかわる。
 お魚が、気がつくと切り身に変わっている。
 今までいた場所からカイくんが消えて、別な場所で別な料理を作り始める。
 その動きは、まるで戦場に立つ剣士のようで。大勢の敵に囲まれてもなお、諦めずにあがき続ける死に物狂いのようで。

「……そっか。だからカイくんは私達を手伝わせたくなかったんだね」
「リュエ……そうですね。あれでは明らかに私達が足を引っ張ってしまいます」
「んー……それもあるかもしれんが、たぶん今のアイツは『ヒトデナシ』だ。そこに好きな人間を近づけたくないんだろうよ。悪く思わないでやってくれ」

 私の呟きにレイスが応え、そしてその会話をダリアが拾い上げる。
 今のカイくんを見ても、あまり驚かないダリア。
 そしてあの有様を、あんな顔をしている理由を知っているかのような口ぶり。
 ……少し嫉妬しちゃうな。

「アイツが言うには『地獄』だったそうだ」
「ダリアさん……?」
「アイツがその腕を振るっていた環境を、ただ一言そう呼んでいたんだよ、自分で」
「そ、そんなに酷い環境だったのかい?」
「詳しくはわからんがね」

 みるみるうちにカイくんのスペースが器で埋まっていく。
 既に、完成を想定して準備を始めているんだ。
 凄く、凄くキレイな料理ばかり。
前にアギダルで出された料理よりも更に綺麗な料理の数々。
綺羅びやかとも違う、なんだか絵画のような、落ち着いた美しさっていうのかな。
思わず私もつばをごくんと飲み込む。

「それに……この世界には魔術があるからな。……こりゃ、勝負にならんだろうよ。見てみろ連中の様子」
「……随分と驚いていますね」
「私達じゃあただ『凄い』としか思えない動きだけど、やっぱり本職の人から見たら……異常なんだろうね」

 それは私にも経験があった。
 私も、魔導や剣術だけは他の人に負けた事がなかったから。
 創世期に、沢山の冒険者やエルフに囲まれながら龍神と戦っていた時代に、同じような視線を受けた事が何度もあった。
知っているからこそ、恐ろしいと感じてしまうんだ。
……なんだいカイくん。そんな技があるのなら……私達にも一度くらい見せてくれてもよかったじゃないか。
でも、きっとそれをしたくない理由があったんだろうね。

「けどまぁ……恐らくこのまま独走って事にはならないだろう、な」
「それはどういう意味だい?」
「……正々堂々の勝負なんて、世の中にそう多くはないって事さ」

 その不穏な空気を感じさせる呟きに、私は思わずカイくんを見つめる。
 私のあげた髪飾りと布巾で髪を留めたその姿に、勝利を願いながら。







 そういう事か。
 なるほど、確かに知っている人間からすればこれは絶妙な妨害だ。
 全部、そう全ての食材が微かに劣化している。
 恐らく食べる分にはその違いに気がつく人間はごくごく限られるだろう。
 だが――それは逆に、分かる人間には一目瞭然の優劣の差となる。
 それも、食材の所為だとは思い至らないレベルでの優劣に。

「魚介が致命的だな。骨の動きが大きすぎる」

 微かに角度が崩れる身の角、そして皮膜。
 血合いの血の量と、エラの色。
 そのかすかな差異が、確かに出来上がりの一品に少なくない影響を生み出す。
 だが――

「まぁ、これくらい流通の滞りでよくある事だがね」

 日本料理は『出汁』が命と呼ばれる事もあるが、もう一つ『香り』が命でもある。
 それはもちろん『臭み』や『風味』を制することを意味する。
 つまり――臭み取りの文化、技術、方法はいくらでもあるのだ。

 既に会席料理の構成である『前八寸』と『水菓子』は完成している。
 そして刺し身である『向付』は仕上げの手前まで持ってきてある。
 臭みとりの方法はいくらでもある。そうだな……こいつは焼き霜で良い。
 これは俺が用意した食材ではないが、彩りとして選んだ『タチウオ』だ。
 この世界にもいるのなら、是非とも泳いでいる姿をリュエに見せたいものだ。
 きっと『うわ! 剣が泳いでる!』なんて驚くだろうな。
 ……案外余裕があるのかね、俺にも。

「椀物は……これも最後にまわすか。ご飯はこのまま待つだけで良いし……あとは『鉢肴』か」

 焼き物の事だが、こちらは魚でなく肉を使う事に。
 食材一覧の中に『フローティングダッグ』というものがあったので選んでみた。
 鴨さんですよ鴨さん。この都一帯は常春。旬とは微妙にずれているのだが、どうやらこの辺りの水は水温が低いらしく、今もしっかり多くの脂を蓄えているのです。
 相手側のスペースを見れば、やはりあちらもそれを分かっているのか鴨を選んでいる様子。
 いや……よく見ると――

「……地獄、ね」

 全て、同じ食材をメインに使っているように見えた。
 なるほど、同じ故にその差が歴然になると考えたのだろう。
 確かにこの状態で同じ料理を同じ練度で仕上げれば、間違いなく負けるのは俺だ。
 そしてその動きを見れば、たしかにシミズの腕前は一流のそれに見えた。
 紛れもない、本物。周りのアシスタントとは次元一つ越えたかのようなその仕事ぶりは、なるほどこの大舞台を任せるのにふさわしい、誰も文句のつけようのないものに見えた。
 正直、アリシア嬢の発言を咎めたくなる程、素晴らしい料理人だ。
 けれども、競い合いであるのなら。
 地獄を見せると言うのなら。
 こちらの妨害をするというのなら。

「地獄なら……もう見た」

 鴨の仕上げに入る。
 ローストした鴨に串で穴を開け、窯の中にぶら下げる。
 そして緑茶葉と柑橘系の皮を敷き詰め、赤く燃えた炭を一つ置く。
 こうする事で、鴨肉内部の血を抜きながら、少々多すぎる皮の脂を落としつつ、香り高く仕上げる。
 鴨は、水鳥故に皮下脂肪が多く、それこそが旨味の中心部分でもあるのだが、その半面少々くどいと感じる事もある。
 だが、あの甘い脂に必要以上に火入れるのはよろしくない。
 つまり肉の変質の手前の温度であり、かつ脂が溶け出す温度を保ち、絶妙に脂を抜きつつ、その野性味ある香りを爽やかな香りで包み込むのだ。

「……炭火で炙る程度じゃ太刀打ちできないと思えよ」

 制限時間は残り三◯分。それだけあれば残りの料理も仕上がるだろう。
『先付』
『前八寸』
『椀物』
『向付』
『鉢肴』
『強肴』
『止め肴』
『食事』
『水菓子』
 本来であれば八品で終わる会席料理だが、どうやらこの世界でもその決まりにゆらぎがあったようだ。
 恐らく、こちらがそこまで手が回らないだろうと思って『会席八品』と言ったのだろう。
 しかし『八寸欠いては会席にあらず』そんな恐ろしい事を平気で抜かす地獄に身を置いていたんですよこちとら。
 泣き言言おう物ならまな板ブーメランが飛び交うんですよ。

「……なっつかしいな。よし、残り時間一七分。後は待つだけだ」

 今できることは全て終わった。
 後は仕上げと盛り付けで時間丁度になる計算だ。
 吸い物とご飯だけは、最後の最後まで仕上げの時間を調整する必要があるからこそ、すべての料理を同時進行で作りながら、その仕上げをずらしながら行っていた。
 ペース配分だけは、不器用な俺でも唯一得意としていた事なのだから。
 不器用な俺は、人よりも馬鹿みたいに練習しないと覚えられなかったからな。
 自然と身体に時間が染み付いてしまったのだ。
 ふと、シミズの調理場に目を向けると、向こうもアシスタントが最後の盛り付けを行っているところだった。
 恐らく先に出来上がるのは向こうの方だろう。
 すると、既に片付けを始めていたシミズと俺の視線が交わった。
 不思議な事に、シミズは酷く申し訳無さそうな表情をこちらに向けていた。
 怒られるのを待つ子供のような、そんな恐れをも覗かせた。

「っと、こっちも仕上げだ」

 さて……審査の時間だ。





「では、両者の料理が完成致しましたので、それぞれ始めの一品から――」
「待ってください。それぞれの料理を全て食べ終えてから、次の審査を行ってください」
「同意します。そちらの方が先に仕上がったのですし、どちらを先に食べるかはシミズさんに決定して頂きたいと思います」
「……なるほど。ではシミズ殿、どうなされますか」
「では、先にこちらの審査からお願い致します」

 審査が始まる。
 皆、この都の盟主かなにかなのだろう。一廉の人物に見える。
 恐らく皆シミズの腕前を知っているのか、喜色満面、その料理を早く味わいたいと、口に出さずともこちらに伝わってくるようだ。

「では一品目『鱧の葛打ちと冬瓜の水晶煮』でございます」

 前菜とも呼べる一品目。
 審査員席のすぐ側で、運ばれてくるその料理に目を向ける。
 ……美しいな。どちらも白く透き通った食材で、互いに表面をとろみのある餡でコーティングされている一品だ。
 この辺りの気候は春のそれに近いが、使用された食材はどちらも初夏から夏にかけての旬の食材だ。
 同じ季節の物同士、その相性は抜群。美味しくない訳がない。
 当然、審査員からも感嘆の声があがり、前菜というだけはあり瞬く間に器から料理が消え去ってしまっていた。

「やはりシミズの作る品は雅であるな!」
「んむ。誠然り」

 その賞賛の声を浴びるも、シミズの表情はどこか浮かない。
 けれども、審査は次の料理へと移っていくのだった。



「……参ったな。同じ食材で完全に鮮度を活かす構成ばかりだ」

 審査は既に最後の一品。水菓子、つまり果物や甘味だ。
 運ばれてきたのは、恐らくゼリーのようなもの。寒天だろうか。
 この都は春ではあるが、季節そのものは夏。そんな中どんな物が出されるのかと思っていたのだが、ここにきてストレートな一品が現れた。
 メロンやマンゴーだろうか、色の濃い果物を小さな玉状に加工したものが、淡く白みがかった、まるで氷のような寒天の中で優雅に漂うような、そんな一品。
 ……美味しそうである。ゼリーとか寒天とかこの世界に来てからまだ食べていなかった。

「ほう、これは涼やかな見た目だの。ここ最近暖かな日も続いておったし、これは嬉しいのう」

 そう言いながら審査員の男性達もまた、匙でその柔らかな氷とも呼ぶべき品を切り崩していった。
 しかし……一品目から続いている審査の中、一言も言葉を発していない人物がいる。
 それは『アカツキ』と呼ばれたあの女性。アリシア嬢の母親だ。
 決して不満そうなわけではない。ただ、黙々と料理を口に運び、静かに吟味しているのだ。
 ……ああいう人が一番恐ろしい。どこまで分かっているのか、こちらを不安にさせる。
 そうしているうちに、全ての料理を食べ尽くした一同が、満足げな笑みを浮かべ談話に花を咲かせ始める。
 ……これは、こちらが不利になるかもしれない。既に審査員は満足してしまっている。
 満足感と満腹感は似て非なるもの。けれどもまったく無関係ではないのも事実。
 もう、次の料理を食べたいとは思えないのではないだろうか。
 するとその時、審査員の一人が意味ありげな笑みをこちらに向け――

「いやはやヒモロギ殿! 審査の必要はもうないのではないでしょうか。我ら一同、既にこれ以上ないという程、シミズ殿の料理を堪能致しました。セリュー領の皆様にお出しするのにこれ以上の物などございませんでしょう!」
「そうですとも。目にも麗しい、まさに至高と言える品の数々です。これで決まりでしょう」

 ……まさか。
 審査員にまでヒモロギの手が回っていたというのだろうか。
 二人の発言に、残りの審査員までもが同意を見せ始める。
 そして、恐らくこれを想定していたであろうヒモロギが、こちらに勝ち誇ったような表情を向けていた。
 ……ふざけるな。審査すらされないだと。そんなもの、勝負でも競い合いでも――

「お待ち下さい!」
「おや、どうなさいましたかシミズ殿」
「これは競い合いです。相手方の料理も食べずに決めるのは、些か不条理ではないでしょうか」
「しかしシミズ殿、結果は火を見るよりも――」

 意外な事に、真っ先に異を唱えたのはシミズだった。
 ヒモロギはそんなシミズの言葉に虚を突かれたのか、一瞬狼狽えた様子を見せる。
 だが、すぐさまその表情を取り繕い、審査員へと話を振る。

「しかし、既にこのように満足しておられるのですよ? 食べる側に無理強いをするというのも、おかしな話ではありませんか?」
「く……ですが!」

 どうすればいい。
 これは俺の力不足だ。
 俺が、そんな策略や薄ら寒い偽りの言葉をも吹き飛ばせる、そんな料理を演出出来ていれば、きっとこんな事にはならなかったのではないだろうか。

「……お待ちなさい」

 後悔と悔しさが積もりつつあったこちらの心に、まるで流水を流し込むかのような声が響き渡る。
 それは審査員の紅一点。現代表であるアカツキさんだった。

「聞けば、その料理人は我が娘がどこぞから用意したという話。母として、どのような考えでこのような事をしでかしたのか知りたいと思い、此度の審査に加わったのだが、まさかその私にも審査をさせないと言うつもりか、ヒモロギよ」

 強く、そして鋭い声だと感じた。
 まるで射抜かれたように、ヒモロギ含めこの場にいる全ての人間の背筋が伸びたように錯覚する程に。

「で、ですが――」
「どうした? 私は自分の娘の人脈を、未来の代表としての器を見たいと申している」
「……分かりました。カイ殿、一品目をお運びください」
「かしこまりました」

 どうやら、この女性には手を回すことが出来なかったようだ。
 さすがに代表に逆らう気はおきないのか、他の審査員もそれに従い、先程までのどこか浮ついた、こちらをからかうような表情を消し潜める。

「では一品目『鯛の柚子昆布〆』と『初夏の白波八寸』でございます」

 悪いが……実際に口に運ぶ以上、もうお前さんがたに選択の余地はないと思え。



 鮮度の微かな劣化、気が付かないようなレベルの臭気も、全て消し去るお造り。
 鯛は松皮造りに、タチウオは焼き霜造りに。
 持てる知識、技法を全て活かし、食べる人間を叩き伏せるかのような献立を暴力的なまでに叩き込む。
 きっと、これが料理を題材にした物語なら、俺は間違いなく悪役だ。
 だが、現実の世界はそうじゃない。美味いと思わせたらそれで勝ちなのだ。
 心遣いや創意工夫を、そんな悪役が持ち合わせていないと誰が決めた。
 そんなもの、全員が持っているに決まっている。その上で、美味いと思わせる為に全身全霊を込める。それが……俺が学んできた、地獄で会得した料理なのだから。

「これは……まさか……美味い……」
「この鴨はなんだ……先程のシミズの物と比べても遜色が……いや……」

 負けてなるものか。
 屈してなるものか。
 これはもう、俺にとっての真剣勝負。
 目的の為の手段でも、アリシア嬢の為でもない。俺が俺の為に勝ちたいと願った勝負だ。
 そしてその品が、審査員から疑問の声をあげさせた。

「これは……なんだ? 揚げ物……でもないようだが」
「それは豆を加工して作った油揚げという食材を使った料理です『揚げの伊達巻、琥珀餡』と言います」

 そしてお狐様がトップならばと、ここ三日間でなんとか作り上げた豆腐とその加工品。
 大豆そのものはポピュラーすぎる食材ではあるのだが、そこから豆腐を作るために『にがり』の代用品を探っていたのだ。
 結果として、柑橘系の実とタネを絞ったエキスを使い、豆乳を凝固させる事に成功した訳なのだが――
 どこかの誰かさんが試作品をことごとく揚げ出し豆腐にしろと騒いだので、結局油揚げを本番用の分しか作る事が出来なかったのである。

「ほう……随分と味の染みが良いな。見た目にも美しい」

 概ね好評なようだが、アカツキさん、つまりお狐様の反応はどうだろうかと様子を伺う。
 相変わらず声も出さず、黙々と料理を口に運んでいるのだが――背後でモサモサとしっぽが動いておりました。
 なんだこの人めちゃくちゃ可愛いな。

 そうして、一品、また一品と審査を進めていき、残り二品となりそれが運ばれてきた。
 八品目である『食事』は、一般的に主食である物が運ばれてくるのだが、今回、こちらが持ち込んだ食材であるカツオの漬けと、長芋の漬けを混ぜ込んだいなり寿司を作り出した。
 完全に偏見、もとい賭け……もとい悪戯心である。
 いや真剣勝負だとは分かっているのですが、お狐様には絶対いなり寿司を食べさせてみたいじゃありませんか。
 甘辛く味付けした油揚げに、やや甘めの酢飯と、濃い味付けの漬けを二種。
 見た目にも美しく、また食べやすさを追求したのだが、さてはて判定はいかに。

「ふむ、先ほどと同じ食材のようだな。では……」
「ぬふ……これもまた美味であるな」

 細かく切った椎茸の甘露煮も混ぜ込んである為、旨味十分。
 そして『献立』の本来の意味である『献を立てる』つまりお酒にも合うように濃い味付けにしてあるのだ。
 やや蛋白な、お上品な料理で舌を敏感、そして繊細に仕立て上げたところに、この旨味と濃い味の暴力で一気に刺激し、ついついお酒に手が伸びるように仕向ける。
 今回の席にもしっかりと酒は提供されており、皆自然と手が盃へと伸び、そしてその調和に酔いしれている様子だった。

 そして肝心なお狐様の様子はというと――
 恐らくこの世界に来て初めて、リュエやレイス以外の女性を心の底から『可愛い』と思いました。
 不動の表情を完全に崩し、それでも無言を貫きながら、どこか鼻息を荒くしているかのような面持ちで尻尾と耳を動かすアカツキさん。
 凄いな油揚げ。初見のお狐様ですら虜にしてしまうとは。
 ……油揚げが好きだと遺伝子に刻み込まれていたりするんですかね?

 そうして全ての料理の審査が終わり、結果を吟味するからとしばしの時間を頂く事になった。
 道具の片付けを行いながら、この先どうなるのかを想像する。
 結果はどうあれ、恐らく本番の懇親会には俺もスタッフの一人として出る事も出来るだろう。
 そうすれば、ダリアが直接元代表をと顔を会わせる機会も得られるはずだ。
 そこから先はダリア次第だが、これで『俺達の目的』は達成出来る。
 だがアリシア嬢はどうなるのだろうか。
 セリューとの橋渡しとして縁談の話もある風な事も聞いていたが、少なくとも現代表は彼女を次期代表として育てる気があるように思えた。
 ……ヒモロギの独断なのだろうか?
 気にはなるのだが、生憎そこまで深入りするつもりはこちらにはない。
 それは、やはりその土地に住む人間同士の問題なのだから。
 けれども少なくとも、今回の件でアリシア嬢の評価が下がることはなくなるはずだ。
 今はそれで満足するべき、ここで手を引くべきなのだ。

「よう、後片付けくらいは手伝わせろよ」
「ん、悪いな。いや久々に肩がこってしまった」
「後でマッサージでもしてやるよ。魔法とか能力でちょっとした体調不良を治そうとするのはやめたほうが良い」
「あいよ。んじゃ、こっちの食器を拭いておいてくれ」

 すると、いつの間にかダリアが隣にいた。
 そして続くようにレイスとリュエの姿までもが。
 ……おかしな気分だ。この空間にこの三人がいるというのは。

「お疲れ様でしたカイさん。あちらのお鍋、洗っておきますね」
「カイくんお疲れ様。私はこっちの……お盆? 拭いておくよ」
「二人共ありがとう。悪かったね、半分俺のわがままに付き合わせてしまって」
「そんな事ないよ? また違った一面が見れて、面白かったよ」

 面白いとは思えないのですがそれは。
 そうして後片付けが終える頃、ヒモロギが声を上げた。
『審査が終了したので、両陣者とも前へ』と。

「さて、審査員の皆様の意見が纏まりましたので、発表させて頂きます」

 六人に見下される形で並び立つ、俺とシミズ。
 確信はない。だが、勝ち目がないとは一切思ってはいない。
 だがその反面、やはりシミズは納得がいかないような、不満げな、まるで後悔でもしているかのような表情を、拭い去る事が出来ずにいるように見えた。
 そして結果が発表される時が来た。
 やはり立場的に、発表するのはアカツキさんのようだ。

「競い合い。とはいえ、これはある件についての審判も兼ねていた、と聞いている。とはいえ今この場でその話を持ち出す気はない。ここに結果だけを発表する事とする」

 その瞬間、ヒモロギの表情が焦りに歪んだ。
 おおかた、あの時の一件を内密にしておきたかったのだろう。
 だが、しっかり彼女の方でも把握していた、と。

「先代とセリューの使者への歓待の宴。その席の料理を任せる者だが……シミズ、お前の腕は衰える事なく、我々の心をしっかりと持て成してくれたな」
「……は」
「うむ。宴の料理責任者は、予定通りシミズに任せる事とする」

 ……そうか。
 やはり――覆らなかったか。
 小手先の技術では、この盤面を覆すことは出来なかったか。
 薄々分かってはいた。これは最初から結果が決まっている競い合いなのではないかと。
 提供する献立の為に食材選びも進み、その為に既に他の料理人も修練に入っているはず。
 それを全て無に返すことなど、本来許される行いではないのだから。
 だが――もし、それすらも覆す事が俺に出来たとしたら。
 そんな夢、いや腕試しをしたいと願ったのだ。
 ……いいさ、少なくとも食べた人間の心には残っただろう。
 そして『こんな料理もあるのだな』と、その世界を広げる事になったのならば。

「っ! お待ち下さい! これは、これは公平な戦いではない!」

 この結果に納得しようと自分に言い聞かせていた時、隣から怒声にも似た訴えが上がる。
 振り向けば、帽子を脱ぎ捨てたシミズが、遥か目上の立場であろうアカツキさんに必死の形相で訴えかけていた。

「私は二日前、唐突に使用する食材を変えるように指示を受けました。今日提供したのは本来出す予定の料理ではなかったのです……そしてそれは、カイ殿の選んだ食材と全て同じだったのです!」

 ……地獄を見せる。それは、ただの脅しだったのだろうか?
 この食材の丸かぶりは、彼の指示によるものではなかったと言うのだろうか?

「私は、この場にて完膚なきまでに彼を叩きのめすつもりでいました。ですが蓋を開けてみれば、叩きのめされたのは私の方だった! 冷静に考えてみて下さい、彼は一人だ! 一人で我々に迫り、そして皆様に新鮮な驚きを与えていました!」
「……そうか。だが、結果は結果だ、受け入れよ」

 他の誰でもない、一番この場で『分かっている』人間にそこまで言われたのなら、それでもう、俺は満足だ。

「シミズさん。俺は満足していますよ。久しぶりに、本気で挑む事が出来たんですから。いやはや、地獄を見せるとまで言った貴方にここまで言わせたなんて、案外俺も捨てたもんじゃないって事ですよね。俺にとってはそれが一番の名誉ですよ」
「くっ! 私は貴方を侮っていた。許されるのであれば、貴方に教えを請いたい程だ! だが、貴方はいいのか! このような結果で!」

 これまで見せてきた凪の表情から一変、激情を隠そうともしないその熱い言葉。
 これが彼の本性なのだろう。そして、心からの叫びなのだろう。
 凄く嬉しいよ。そんな風に言ってもらえて、光栄の至りだよ本当に。

「……シミズよ。お前の言い分は私にも理解出来る。だが話は最後まで聞け。我らとてあのような料理を手がける人間をみすみす手放そうとは思わぬ。お前が責任者として、そのカイと共にその腕を振るうが良い」
「……そ、そんな、私が……」
「良いんですか、アカツキ様。結局俺は、どこの誰とも分からない人間なんですよ?」
「良い。我が娘が呼び寄せた――『という事になっている』人間を疑いはせぬ。事実、今この場にいる者達は皆、主の腕を認めておる」

 見れば、恐らくヒモロギの息がかかっていたであろう審査員もまた、ただ無言で首を縦に振っていた。
 ……ああ、これで良い。これが一番、理想的な結末だ。
 そして、恐らく一番この結末に異を唱えたいであろう男が、苦虫どころかコーヒー豆を大量に噛み砕いたかのような表情を浮かべている。
 それで満足しておきましょうじゃありませんか。

「良いな、ヒモロギ。主には後で話がある……たっぷりとな」
「……分かり、ました」

 どうやら、あちらの方でも決着がつきそうだ。

「してカイよ。あの最後の料理、いなり寿司という物は大変美味であった。是非また次の席でも作ってくれぬか?」
「ええ、喜んで」

 それに、見たかったお狐様の反応もしっかり見ることが出来ましたしね?
 これは是非ともアリシア嬢にも食べさせてあげなくてはならないな。
 こうして、競い合いは無事に終幕を迎えたのだった。



「……カイくんカイくん、料理のあまり、私達で貰ってもいいんだよね?」
「しー……まだ皆が居るから後でな、後で」

 いやしんぼさんめ。
(´・ω・`)めしてーろ

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