涙する女性も…小学校分校145年の歴史に幕 2016年度には児童5人に減少 鹿島市 [佐賀県]

卒業生や地区住民235人が参加した能古見小浅浦分校の閉校式
卒業生や地区住民235人が参加した能古見小浅浦分校の閉校式
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教室に入り「においは変わらないね」と思い出に浸る分校卒業生
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86年前の分校1年生のころの思い出を語った朝日リウ子さん
86年前の分校1年生のころの思い出を語った朝日リウ子さん
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1955年当時の浅浦分校はわらぶき屋根だった
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 鹿島市三河内の能古見小浅浦分校が閉校になり、145年の歴史を閉じた。25日の式典には卒業生や地元住民ら235人が出席し、学舎との別れを惜しんだ。

 分校は山あいにあり、校庭は救世神社の境内を兼ねている。1873年度に開校し、ピーク時の1905年度には1~4年生計148人が在籍。82年度からは1、2年生のみが通い、2016年度に5人に減少、17年度から休校していた。

 式典では、松尾奈々恵さん(12)が「地域との交流も多く、分校時代はすべてが楽しかった」、吉村きららさん(12)は「家族みたいにみんな仲良く、2年間はあっという間だった」と振り返り、「ありがとう浅浦分校」と締めくくった。

 卒業生らが思い出を語る「ありがとう集会」もあり、朝日リウ子さん(91)は「『サクラガサイタ』の教科書がうれしかった。1年生40人は仲良く、どこへ行くのもかけっこ。閉校は本当に寂しい。いつの日か再開してほしい」と話した。

 分校出身の児童13人は拡大コピーした写真を見せながら「分校の1年」を紹介。米作りなどを通して地域との交流を深めた分校生活を懐かしんだ。分校歌や唱歌「故郷(ふるさと)」の斉唱では涙をぬぐう女性の姿もあった。

 現校舎が建築された年に生まれたという打上俊雄さん(61)は「校舎を守り、地域で活用していきたい」と話した。

=2018/03/30付 西日本新聞朝刊=

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