IGN本家は3年ぶりにゲームの歴代ベスト100のランキングを行った。本稿ではその結果を紹介しつつ、傾向について解説していきたい。まず、ベスト中のベストに輝いたTOP 10を見てほしい。
10. スーパーマリオ64(1996年)
9. レッド・デッド・リデンプション(2010年)
8. Half-Life 2(2004年)
7. テトリス(1984年)
6. スーパーマリオブラザーズ3(1988年)
5. ゼルダの伝説 神々のトライフォース(1991年)
4. スーパーメトロイド(1994年)
3. Portal(2007年)
2. ゼルダの伝説 時のオカリナ(1998年)
1. スーパーマリオワールド(1990年)
明らかであるのは任天堂のタイトルの圧倒的な人気ぶりだ。ベスト2はもちろん、トップ10のうちの6本が任天堂によるゲームなのだ。「ポケモン」系も含めるとTOP100には全部で20本以上の任天堂関連タイトルがランクインしており、全体の5分の1を超えている。IGN本家が最後に同様のリストを手掛けたのは2015年のことで、このときも「スーパーマリオブラザーズ3」と任天堂のゲームが1位に選ばれた。
TOP10のゲームのうちの2本は80年代、5本は90年代、2本は00年代、2010年以降のタイトルは「レッド・デッド・リデンプション」の1本のみとなっている。古い作品が多めだが、そもそも本ランキングの基準として「発売当時、我々個人やゲーム業界にどれだけのインパクトを与えたか」があるので、既存のジャンルをより洗練させたタイトルよりも何か新しいことをやった革新的な作品が選ばれやすいレギュレーションとなっており、そうなると古いゲームが必然的に多くなるだろう。なお、2018年発売のゲームは対象外となっていた。
現行機専用タイトル(PS4/Xbox One/Wii U/Switch)、または2015年以降に発売したPCやモバイルゲームで最も高い順位にランクインしたのは「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」だった。2017年に世界的な大絶賛を受けた本作が何位になっているかが今回のランキングのひとつの見所だったと思うが、筆者はTOP10は間違いなく、下手したら1位になっているかもしれないと推測していた。だが、本作は26位にランクインした。
現行機専用または2015年以降のPC/スマホゲームで他にランクインしたのは34位の「Bloodborne」、51位の「オーバーウォッチ」、55位の「The Witness」、81位の「ペルソナ5」、84位の「スーパーマリオ オデッセイ」、85位の「Inside」、91位の「Undertale」、100位の「Pokémon Go」だった。
2010年以降のゲームで「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」よりも上のランクに入ったもので言うと20位の「The Last of Us」、17位の「グランド・セフト・オートV」、16位の「DARK SOULS」、11位の「Portal 2」、9位の「レッド・デッド・リデンプション」の5本があった。
TOP10に関して、任天堂以外のタイトルはすべて海外産で、アメリカで開発されたものが3本、7位の「テトリス」はロシアのゲームだ。TOP100はアメリカで開発されたタイトルが最も多かったが、次点の国産開発タイトルは40本もあり、ランキングの上位に関してはアメリカ開発のタイトルよりも多くなっていた。任天堂以外の国産タイトルで上位に入ったものとしてはコナミの「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」が12位、カプコンの「ストリートファイターII」が15位、フロム・ソフトウェアの「DARK SOULS」が16位、スクウェア・エニックスの「クロノ・トリガー」が18位、コナミの「メタルギアソリッド3 スネークイーター」が21位、SCEジャパンスタジオの「ワンダと巨像」が28位にランクインした。
ランクインしたタイトルのほとんどはコンソール/PC/アーケードゲームで、モバイルゲームは100位の「Pokémon Go」のみだった(後に移植されたものを除く)。
人気なパブリッシャーとしては任天堂が他を圧倒していたが、Valve、Take2、EA、Blizzard、SIE、マイクロソフト、アクティビジョン、コナミ、カプコン、スクウェア・エニックスなどのゲームも多くランクインしていた。
これがない!という話をすればキリがないので、これについては機会を改めて「しゃべりすぎGAMER」で話したいと思っているが、それでもいくつか挙げてみよう。まず、セガのゲームが1本もない。欧米で一世を風靡した「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」、アーケードゲームの発展に大きく貢献した鈴木裕の体感ゲーム、3D格闘ゲームというジャンルを確立させた「バーチャファイター」、少なくともそのうちの1本はランクインしてもよかったはずだ。また、欧米のメディアであるので不思議なことではないが、筆者としては「ドラゴンクエスト」シリーズの作品が入っていないのは少し残念だし、日本では大人気の「モンスターハンター」シリーズも入っていなかった。今後、同様のランキングがあれば「モンスターハンター:ワールド」のランクインに期待したい。STGを愛する今井にとっては同ジャンルの作品が98位の「ギャラガ」しか入っていないのも不満で、特に「斑鳩」を強く推していた。今回のランキングについて、読者の意見もぜひとも聞きたい。
IGN本家のゲーム評価についてもっと詳しく知りたい人はレビューで満点スコアを獲得したゲームをまとめた記事も確認してほしい。
2017年3月31日 追記
リクエストがあったのでTOP10の選評を翻訳しました。