【4月1日 AFP】米国は3月31日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の対イスラエル境界線付近で3月30日に発生し、パレスチナ人16人が死亡したパレスチナ人とイスラエル兵の衝突について調査などを求める内容の国連安全保障理事会(UN Security Council)声明の採択を阻んだ。外交筋が明らかにした。

 この衝突では、数万人規模のデモの本隊から離れ、境界線付近の堅固に要塞化されたフェンスに数百メートルの距離にまで近づいたパレスチナ人を排除するため、イスラエル軍が催涙ガスや実弾を使用した。

 ガザ地区の保健当局によると、死亡した16人の他に1400人以上が負傷した。負傷者のうち758人は実弾を受け、残る人々はゴム弾を受けたり催涙ガスを吸引したりして被害を受けた。イスラエル側に死傷者は出ていない。

 国連安保理でアラブ諸国を代表するクウェートは、この衝突の「独立した透明性のある調査」などを要求し双方に自制を呼び掛ける内容の声明案を提出した。

 安保理筋の外交官がAFPに語ったところによると、声明案は3月30日、安保理の理事国に配布された。しかし米国は翌31日、この草案に異議を唱え、採択を支持しないと述べた。

 AFPは米国連代表団に本件についてのコメントを求めたが、速やかな回答は得られなかった。(c)AFP