JR久大本線の由布院駅に隣接し、観光案内所「YUFUINFO」がオープン。観光案内所としての機能ほか、開放感・眺望に優れた施設で、地域のシンボルである由布岳、そして行き交う列車たちが楽しめます。
名画のような由布岳 眺望に優れた観光案内所
JR久大本線の由布院駅(大分県由布市)に隣接して2018年4月1日(日)、由布市ツーリストインフォメーションセンター「YUFUINFO(ゆふいんふぉ)」がオープンしました。
ガラス張り2階建ての施設で、開放感が大きな特徴のひとつ。内部からは駅を発着する列車、そしてこの地域のシンボルである由布岳の個性的な山影を楽しむことができます。設計は、大分県立美術館なども手がけた建築家の坂 茂さんです。
延べ床面積は約600平方メートルで、「にぎわい」がコンセプトの1階は宿泊やレンタサイクル、辻馬車の斡旋・予約も行える観光案内カウンターや、手荷物の預かり・配送コーナー、由布市まちづくり観光局のオフィスが入ります。また、駅ホームに隣接しており、大きな窓から、エンジン音を響かせながら発車していく列車が眺められます(久大本線は非電化)。
そして「癒やし」がコンセプトの2階には、由布岳が見える展望デッキ、「旅」に関する書籍およそ1500冊がそろった「旅の図書館」。1階からスロープを上がっていくと、由布岳が額縁に入った名画のごとく、目に飛び込んできました。
施設整備にあたっては「国内外の観光客が気軽に立ち寄れる施設」「市内はもとより大分県内、九州内広域周遊観光のハブ的な役割」「懐かしき“由布の風”と、豊かな“大分の風”を運ぶふれあいとおもてなしの空間を創造する」という基本理念で行われ、由布市長の相馬尊重さんは「今後は由布院駅周辺の交通環境も整備しながら、由布市を訪れる皆様が満足していただけるような質の高い『出会いの場』を創出し、魅力的な『滞在型・循環型保養温泉地』の観光まちづくりを実践してまいります」としています。
式典に出席したJR九州の唐池恒二会長は、今年2018年7月に久大本線の不通区間が解消される予定であることを念頭に、「新しい由布院の顔ができました」と話します。またJR九州から由布市にシダレザクラが贈呈され、ホームへ隣接する場所で、その植樹式も行われました。
このたび完成した「YUFUINFO」の開館時間は、9時から19時までです。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。
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