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NHKは、テレビがなくてもワンセグ機能があれば、受信契約の締結義務があるとしている。携帯電話やカーナビも対象だ。徴収スタッフに「テレビはない」と言っても、「携帯は持っているでしょう」などと粘られることは広く知られている。

しかし、一般家庭には厳しく受信料の支払いを求めているのに、公的機関のワンセグについては徴収に甘さがあるようだ。

弁護士ドットコムニュース編集部が主要官庁に受信料の支払い状況を尋ねたところ、復興庁がカーナビの受信料を支払っていないと回答した。担当者によると、NHKから文書で要請があったそうで、2018年度から予算化するという。

●NHK「ご申告に基づいて締結し、受信料をお支払いいただいています」

アンケート調査は2017年10月に実施。支払いが確認できている総務省を除いた、1府12省庁に携帯電話とカーナビのワンセグ、フルセグ機能について、支払いの有無を聞いた。このうち、1府7省庁(内閣府・法務省・外務省・財務省・厚労省・農水省・経産省・復興庁)から回答があった。

カーナビについては前述の通り、復興庁が支払っていなかった。また、携帯電話のワンセグ受信料については、個別に払っているという官庁はなかった。

個別に支払っていない理由について、復興庁は「部屋ごとの契約に含まれていると判断」、法務省は「ワンセグは部屋のテレビの2台目という認識」と答えている。これはNHKの基準に適合しているので、NHKとの間では問題にならない。

一方で「(業務用携帯でワンセグを)見たことがないから考えたこともなかった」(経産省)という回答もあった。

NHKの契約書には「契約件数」だけでなく、「受信機の数」を記入する欄がある。官庁によっては、適切に受信料を払っていても、ワンセグ携帯を「受信機」としてカウントしていない可能性がありそうだ。実際、ワンセグ携帯の台数について回答があったのは、農水省(204台)と内閣府(922台)だけだった。

NHKに対し、(1)なぜ官庁で支払い状況に差があるのか、(2)官庁におけるワンセグでの契約の推移、を問い合わせたが、いずれも「ご申告に基づいて締結し、受信料をお支払いいただいています」と、明確な回答はなかった。

(弁護士ドットコムニュース)