Raspberry Pi でハイレゾオーディオ環境(Moode Audio)
Raspberry Pi の I2S インターフェースを活用し、DAC基盤と接続することにより、お手軽に高音質ハイレゾオーディオ環境が構築できるということで、ラズパイオーディオとして人気だ。
Raspberry Pi の HiFi DAC については、こちらのエントリーでまとめたので、参照いただきたい。
これまで、Raspberry Pi の オーディオ用OSとして Volumio2 を使ってきたが、もう少し細かいカスタマイズや設定が可能だという「Moode Audio」を導入してみた。
Volumio と Moode Audio を両方使ってみて分かった比較はこんな感じだ↓
Volumio | Moode Audio | |
ベースOS | Raspbian Jessie Lite | Raspbian Jessie Lite |
カスタムカーネル | ー(非対応) | ◯(対応) |
パッケージ配布 | imgにて配布 (インストールが容易) |
ソースからビルドが必要 (インストールが面倒) |
Web UI | JavaScript | PHP |
Wi-Fi | ◯(対応) ※ただし、CLIで 設定しないと接続されない 不具合あり? |
◯(対応) |
DSD再生 | ◯(対応) | ◯(対応) |
AirPlay | ◯(対応) | ◯(対応) |
DLNA Client | ◯(対応) | ◯(対応) |
DLNA Sever | ◯(対応) | ◯(対応) |
ファイルサーバ (Samba) |
◯(対応) | ◯(対応) |
スマホアプリ | ◯(あり) | ー(なし) |
プラグイン機構 (Spotify等) |
◯(対応) | ー(非対応) |
正直、あまり大きな違いは無いので、Web UIの雰囲気等で決めると良いだろう。
多少、カスタマイズ性が高いのは Moode Audio なので、詳しい人は Moode Audio の方が良いだろう。
例えば、Moode Audio は Burr Brown製のDACチップの詳細設定ができたりする。
Moode Audio インストール
まずは、母艦PC(私の場合はMacbook)にUSB等、Raspberry Pi OSをインストールする micro SDカードを接続する。
micro SDカードにが認識された/dev/の位置を確認する。
$ diskutil list
/dev/disk0 (internal, physical):
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: GUID_partition_scheme *250.1 GB disk0
1: EFI EFI 209.7 MB disk0s1
2: Apple_APFS Container disk1 206.0 GB disk0s2
3: Microsoft Basic Data BOOTCAMP 43.8 GB disk0s3
/dev/disk1 (synthesized):
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: APFS Container Scheme – +206.0 GB disk1
Physical Store disk0s2
1: APFS Volume Untitled 195.8 GB disk1s1
2: APFS Volume Preboot 20.1 MB disk1s2
3: APFS Volume Recovery 509.8 MB disk1s3
4: APFS Volume VM 3.4 GB disk1s4
/dev/disk2 (external, physical):
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: FDisk_partition_scheme *15.6 GB disk2
1: Windows_FAT_32 NO NAME 15.5 GB disk2s1
私の場合は、/dev/disk2 だった。
アンマウントする。
$ sudo umount /dev/disk2s1
ダウンロードした raspbian-streatch-lite のイメージをmicro SDカードに焼く。
$ sudo dd bs=1m if=Downloads/2018-03-13-raspbian-stretch-lite.img of=/dev/rdisk2
※豆知識だが、bs=1mオプションをつけると、10倍早く焼ける
また、/dev/disk2 ではなく、/dev/rdisk2 とすることで、さらに10倍早く焼ける
micro SDカードに焼いている状況は、ターミナルから Ctrl + Tを押すことで確認できる。
Raspberry PiのOSイメージができたら、ネットワーク接続ができていないRaspberry Piに母艦PCからbonjourで接続するための設定や、SSHで接続するための設定を行う。
一度、micro SDカードを抜き、もう一度差し込み、母艦PCにマウントさせる。
SSHで接続できるように、直下に「ssh」空ファイルを作る。
$ touch /Volume/boot/ssh
とコマンドを打ってやる。
cmdline.txtを編集
$ vi /Volume/boot/cmdline.txt
modules-load=dwc2,g_ether ←を末尾に追記
config.txtを編集
$ vi /Volume/boot/config.txt
dtoverlay=dwc2 ←を末尾に追記
Raspberry Pi Zero W に、当該micro SDカードを指して、Raspberry Pi Zero Wのデータ転送用USB端子(中央に近い方のUSB端子)と母艦PCを接続する。
2分くらい待つと、Raspberry Pi Zero Wの緑ランプの点滅が落ち着くので、母艦PCから以下のコマンドを投入し、sshで接続する。
$ ssh pi@raspberrypi.local
User: pi
Password: raspberry
Mac OS Xの場合は、bonjour(LANのゼロコンフィグで接続するApple社の技術)のおかげで、たいそう楽ちんに接続できる。
Raspberry Pi Zero W の Wi-Fiの設定を行う。
$ sudo sh -c ‘wpa_passphrase “[SSID]” “[PASSWD]” >> /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf’ sudo wpa_cli reconfigure
$ sudo wpa_cli reconfigure
$ sudo nano /etc/network/interfaces
allow-hotplug wlan1
iface wlan1 inet dhcp
wpa-conf /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
Raspberry Pi Zero W を再起動
$ sudo reboot
これで、Raspberry Pi Zero Wが、Wi-Fiに接続され、LAN経由で接続できるようになったと思う。
LAN経由でSSHで接続し、いよいよ Moode Audio の Image Builder を導入する。
(Image Builder とは、Moode Audioに必要な互換ソフトの導入やコンパイル・ビルドをガリっと自動で実行してくれるビルダーさんだ)
$ sudo wget -q http://moodeaudio.org/downloads/mos/mosbuild.sh -O /home/pi/mosbuild.sh
$ sudo chmod +x /home/pi/mosbuild.sh
Image Builder を実行
$ sudo ./mosbuild.sh
いくつか、micro SDカードに直接インストールして良いか?Wi-Fiで接続するか?と Y/N で聴いてくるので、対話形式で回答する。
〜Moode Audioのインストールが実行される〜
途中、何度か再起動がある。
Moode Audio の Image Builder 実行前は、以下でログインが可能だったが、
host: raspberrypi.local
user: pi
pass: raspberry
Image Builder 実行後の再起動後は
host: moode.local
user: pi
pass: moodeaudio
に変更されるので注意が必要。
途中の状況は、moslog や moslast コマンドで確認できる。
私の場合は、必要なパッケージが足りないと怒られて、途中で止まってしまったので、手動で必要なパッケージを導入した。
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get -y install rpi-update php-fpm nginx sqlite3 php-sqlite3 memcached php-memcache mpc bs2b-ladspa libbs2b0 libasound2-plugin-equal telnet automake sysstat squashfs-tools tcpdump shellinabox samba smbclient udisks-glue ntfs-3g exfat-fuse git inotify-tools libav-tools
途中で止まった場合も、Raspberry Pi Zero W を再起動すれば、自動で Resume してくれる。
$ sudo reboot
インストールがうまくいくと、SSHでログイン時に、moOde audio player のWindowsでいうところの「ようこそ」画面が出る。
インストールが完了し、ブラウザからhttpで、Moode Audio のIPアドレスに接続すると、以下のようなWebUIが表示されれば、インストールは完了だ。
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