2018年3月16日(金)
こんなにある「森友」&昭恵氏 深い関係
名前出るたび要望通り進む
財務省が改ざんしていた学校法人「森友学園」(大阪市)との交渉経緯を公表したことで、安倍晋三首相の妻、昭恵氏の関与があらためて注目されています。国有地の格安売却疑惑発覚から約1年の間に明らかになってきた内部文書や証言などから、昭恵氏と森友学園の深い関係がくっきりと浮かび上がってきました。(三浦誠)
|
|
|
|
|
|
森友学園理事長だった籠池泰典被告=詐欺罪で起訴=は、自民党が政権復帰する前の2012年9月ごろ昭恵氏に、新設予定の小学校に安倍晋三記念小学校と名付けたいと要請したとしています。
この後、昭恵氏は森友学園を頻繁に訪れ、講演。籠池氏の妻、諄子被告=詐欺罪で起訴=とメールをやりとりする仲になっていきます。
財務省の資料によると、同省は遅くとも14年4月28日に昭恵氏と学園の関係を知りました。同日に籠池被告は、昭恵氏が国有地を視察し「いい土地ですから、前に進めてください」と語っていた、と近畿財務局に伝えたのです。
当時は、学園が国有地を一定期間借地した後に購入したいと要望していた時期です。財務局は、籠池被告から昭恵氏のかかわりを聞いた約1カ月後に「売払いを前提として貸し付けについては協力させていただく」と前向きに転じました。
15年1月9日に財務局は、学園に貸付料の概算を提示。学園は減額を求めます。財務局は本省に申請。本省は、学園の要請を認める形で特例の契約をすすめることを承認しました。このとき本省と財務局がやりとりした資料にも、昭恵氏の名前が計5回登場しています。
15年11月には、昭恵氏付の政府職員が、籠池被告の要望を財務省本省に伝え、わざわざ文書で回答。このときは応じなかったものの、その後、学園側の要望が実現。事実上の“満額回答”となりました。
学園は16年3月に国有地から新たなゴミが出たとして補償を求めます。財務省側と学園の交渉を録音した複数の音声データによると、このときも籠池被告は昭恵氏から「頑張ってください」と言われたなどと説明。結局、財務局は「ゼロ円に近い金額までできるだけ評価を努力する」などと回答。実際に、同年5月に約8億円値引きした1億3400万円で売却しました。
一連の経過をみると、交渉が難航していたときに昭恵氏の名前が出て、学園の要望通り進むことを繰り返してきたといえます。
国有地取引について、籠池被告は、国会の証人喚問でこう言い切りました。「神風が吹いた」と。
|