フランスにはいわゆる「ショートケーキ」がないんです。
えっ、と驚かれるかもしれませんが、いちごのケーキといえばこちら「フレジェ」。
フランス語で「いちご」の意味。いまのように、苺が一年中出回っていなかった時代、フレジェはまさに、フランスに春を告げるスイーツでした。
日本の「ショートケーキ」が生クリームを使うのに対し「フレジェ」はカスタードやバタークリームを混ぜ合わせた「ムースリーヌ」という濃厚なクリームが特徴です。
さくらんぼのブランデー、キルシュの香り漂う、オトナスイーツなんですね。
春の訪れ。日本で活躍中のパティシエさんによる「kotorio注目のフレジエ」をまとめてみました。
1)サブのお取り寄せブログでも何度かご紹介済み、千歳烏山の「ラ・ヴィエイユ・フランス」さん。
昨秋10周年を迎え、ますます腕に磨きのかかる木村シェフ。パリ仕込みの伝統菓子といえばまずこのお店です。
特徴はしっかり効かせた洋酒の風味。日本のものだと、アルコール控えめになってしまうところが多い中、あくまで見た目は可愛らしく、味は大人向けにキレ感を加えて。
赤いソースの上にチョコで描かれた水玉。
カスタードにバターを混ぜたやさしい黄色のクリームも、繊細さを感じます。
アーモンド生地にもキルシュのシロップを染み込ませるとはニクい演出。
果肉のしっかりしたいちごの食感、パーフェクトです。
フランスの伝統菓子(ケーキ・マカロン・ジャム・クッキー等)のお店 ラ・ヴィエイユ・フランス
2)世田谷経堂の「パティスリー ミラベル」さんは、高島屋さんで手に入るようになり、皆様ご存知。オーボンヴュータンを経て渡仏、修行された橋本シェフのお店です。
卵と牛乳の本来の味のいきた正統派。卵は青森県の農家から取り寄せ、濃厚な牛乳、バターなど素材には徹底的にこだわっているのが感じられる一品です。
甘く味付けた卵とミルクのクリーム、アーモンド生地もコクがあり、見た目より意外なボリュームが感じられます。
苺の上のジュレも、美しき引き立て役。シンプルながら計算された形状です。
https://www.facebook.com/mirabelle.kyodo/
3)横浜の名店「アン・プチ・パケ」さん。ひとつのちいさな包み、という名。
大ベテラン、及川シェフの手がけるフレジエは、いちごとピスタチオ生地の対比が完璧。真っ赤なソースに負けないほど、クリームは濃厚。
カスタードには卵・牛乳・バニラで作った濃厚なアングレーズソースを加え、重厚感をもたせています。中ももちろんいちごがぎっしりと詰まって食べ応え十分。
生地、イチゴの酸味、バターのバランスはもうさすがとしか言いようがないです。
Shop | PATISSERIE FRANCAISE Un Petit Paquet
【kotorioからのひとこと】
フランス・パリのジル・マーシャルさんのフレジエはバリエーション豊か。
行かねばならんジェ。 Pâtisserie Gilles Marchal