Augusta Camp 2010

Augusta Camp 2010 Special Report

 

12回目を迎えたオーガスタ・キャンプ。

初の2日間連続開催、その1日目は、記録的な猛暑の2010年にあって、曇天に恵まれた絶好の夏フェス日和。蒸し暑さの中に時折吹く風も涼しく、この自然の演出は、はからずも今回のテーマ「アコースティック・オーガスタキャンプ」に相応しいものとなった。

 

入場者はレジャーシートの上に腰をおろし、思い思いの体勢でライヴを堪能。どこにいてもスクリーンでステージを確認できる配慮と十分に確保された客席周囲のスペースも相まって、例年以上にその空気感をゆったりと味わうことができた。もちろん個性豊か、かつ「自分にとってアコースティックライヴとはなんたるか」を知り尽くしたオーガスタ・アーティストのこと。それぞれ時にエンターテインメントな、時にシンプル極まりない、時にアイデアと工夫を凝らしたステージを展開。演奏とMC、その緊張と弛緩のバランスも絶妙で飽きさせない。ゆっくりと落ちてゆく天然の照明で時間の経過を感じる贅沢さ。

 

メイン・ステージ転換の間、サブ・ステージでは山崎まさよしの15周年を祝うトリビュート・ライヴが繰り広げられる。リスペクト、などという大仰な表現が不似合いなほど、それぞれのチョイスで、自分なりの表現方法で歌う山崎楽曲は、本人にとって何よりの喜びであり、誇りだろう。これまでにスガシカオの10周年、COILの10周年、そして今回の山崎まさよしと、3度のトリビュート企画をオーガスタキャンプという場で観る機会に恵まれたが、それぞれの楽曲そのもののヴァリエーションの豊富さを改めて感じさせてくれる。と同時に、縦でなく横でつながっている所属アーティストの在り方、ミュージシャンシップありきの関係性にはいつものことながら脱帽し、清々ささえ覚える。そこには「どうでもいいこと」と笑い飛ばす度量の広さと「どうでもよくないこと」にストイックである目に見えない線引きがあり、上の世代がそれを姿勢で示していくことで新しい世代へと受け継がれてきているのだろう。

 

メインのトリを務めた山崎、その掟破りのステージに続き、アンコール・セッションではメンバー全員が山崎メドレーで祝福。結局は例年通り、涙と笑いのフィナーレで2010年のオーガスタキャンプは幕を閉じた。すべての演目が終わってなお残る爽やかで幸福な余韻。それを味わいたくてまた来年の夏を、「この先人にしてこの後進あり」、その行く末を見たくてまたその次の夏を心待ちにしている自分がいる。また会いましょう。

 

 

<文 / 篠原美江

 

 

 

 

今年のオーガスタ・キャンプはオーキャン始まって以来初となる東京・夢の島公園陸上競技場での2日公演開催。初日8月14日に参加してきました。

都内近郊、東京湾に近いシチュエーションで、普段は公園として使われている立地、そしてこの日のイベントは出演者すべてがアコースティックセットで歌を披露するということで、いつものキャンプよりも和やかで緩やかで、気持ちよく音楽を楽しめるものでした。この日は前日までの猛暑も控えめで、多少過ごしやすかったのも理由のひとつ。またライブ前に流れた山崎まさよしさんとCOIL岡本定義さんによるユニット“さだまさよし”爆笑漫談も会場の雰囲気を和ませたのではないかと。かなり笑えました。

今回のメインは、山崎まさよしデビュー15周年を記念したカバー企画。デビュー以来の代表曲を、オーガスタ・アーティストがカバーしていくのですが、ライブの中で山崎まさよしさんも言っていたように、オフィスオーガスタ個性的な声をもったアーティストが多い。改めてそう思いました。そして、アコースティックが似合う。シンプルなアレンジでも心に伝わる完成度の高いメロディに個々のボーカル力が加わって、どれも新鮮な印象を与えてくれました。

そんな雰囲気のなか、フェス中盤に元ちとせが歌った「死んだ女の子」(14日のみ)。この曲を歌ったときだけは、会場の雰囲気が一転、シリアスな空気に包まれました。自身のセットの最後に「こうして歌を楽しめるのも平和だから」と紹介して歌った「死んだ女の子」。初めて聞いた人もいたのでしょう。その歌詞内容に衝撃を受け、すべての観客が元ちとせの熱唱を聞き入っていたようすでした。そして、歌い終わった後に巻き起こった大きな拍手。ちょうど翌日は終戦記念日。みんなが平和の尊さを考えた、この日のイベントのハイライトのひとつだったと思います。すばらしい歌唱でした。

以前からこの曲の存在をオーガスタ森川社長から聞かされ、また何度かテレビで聞いていたことはあったのですが、生で「死んだ女の子」を聞いたのはこのときが初めて。背筋を正して聞き入り、そこにいた多くの人と同じように感動しました。

フェスの最後はオールスターがステージに集結、東京湾花火大会で打ち上げられた花火の相乗効果もあり、大団円のうちにオーキャン初日が幕を閉じました。暑い夏に涼しい風が吹いた一夜となりました。そして、翌日(終戦記念日)、わたしは以前から観たかった映画「キャタピラー」を見にいきました。そしたら、なんとその映画のラストで元ちとせの「死んだ女の子」が流れたのです。またもや大きなショックと感動を受けてしまいました。

この映画は全編がショッキングな内容なんですが(内容はあえてふれません)、監督の若松孝二が本当に描きたかったのはエログロではなく、本当の戦争、戦争の無意味さ、平和の尊さで、反戦のメッセージをこの映画に込めたかったからに違いなく、その映画の最後に流れる曲は元ちとせの「死んだ女の子」しかありえなかったという気持ちが伝わってきて、最後にこの曲が流れたときには、思わず息が詰まってしまい、終演後もしばらく席から立つことができませんでした。

図らずも、戦争の悲惨さ、無意味さを改めて身に染みて思い知らされた、この夏忘れることが出来ない2日間となりました。

 

 

<文 / 竹部吉晃

 

 


『Augusta Camp 2010

  After Book Special Box』
<BOX封入内容>
Augusta Camp 2010 アフターブック(B5変形縦位置/96ページ予定)
Augusta Camp 2010 オリジナルデニムエプロン
(COLER:インディゴブルー、SIZE:フリー、素材:デニム(6oz) )


初の同会場2日間開催となった今年のオーガスタキャンプ(8月14日/15日@夢の島公園 陸上競技場)の両公演を追ったアフターブック。 各アーティストの写真・ライブレポート(約10,000字)はもちろん、各アーティストのステージセット図面、アンコールセッションでの山崎楽曲の歌詞・譜面などを掲載し“音のレシピ(素材)”を表現した充実の内容!また、パンフレットと連動し同サイズで製作した本体とデニムエプロンを封入したスペシャルBOX仕様でお届け。 (デニムエプロンを取るとパンフレットとアフターブックがすっぽり収まる永久保存版BOX)。
※仕様は予告なしに変更する場合がございますので、ご了承ください。
※封入内容物の画像・詳細は、オフィシャルサイトで随時アップしていく予定です。

なお、こちらの商品はオーガスタファミリークラブでの期間限定通信販売のみとなり、予約受付締切後の販売はございませんので、お買い逃しないようお願いいたします。 また、こちらの商品のお届けは受注生産のため、11月中旬を予定しております。こちらの商品と同時にその他の商品をお申込み頂きますと発送がすべて11月中旬となりますことを予めご了承下さい。

【予約受付期間】
2010年9月15日(水)18:00~2010年10月15日(金)18:00
ご予約はこちらから


現在オーガスタキャンプページでは、イベント当日に販売されたパンフレットをはじめ、Tシャツ、タオル、トートバッグなどAugusta Camp 2010オリジナルグッズを販売中!

Augusta Camp 2010 After Book Special Box
『Augusta Camp 2010 After Book Special Box』
<BOX封入内容>
Augusta Camp 2010 アフターブック(B5変形縦位置/96ページ予定)
Augusta Camp 2010 オリジナルデニムエプロン(COLER:インディゴブルー、SIZE:フリー、素材:デニム(6oz ) )

【予約受付期間】
2010年9月15日(水)18:00
~2010年10月15日(金)18:00
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