「ラブライブ!」の“聖地” 駅舎の装飾を張り替え 条例違反の指摘受け 静岡・伊豆長岡駅
伊豆箱根鉄道の伊豆長岡駅(静岡県伊豆の国市)に設置されていた人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」のイラスト装飾が市から条例違反の指摘を受け、別のものに張り替えられていたことが30日、分かった。
平成27年に世界文化遺産に登録された韮山反射炉がある同市では昨年4月から周囲の景観を阻害するような派手な屋外広告物を規制する条例を施行しており、ガラス張りの駅舎の壁面を全面的に使った同装飾は大きさなどが条例に違反していたという。
市からの指摘を受け、同鉄道は29日夜から張り替え作業を開始。30日までに装飾を同アニメの別のイラストに差し替えた。
条例に違反していたのは劇中に登場する学生アイドルグループ「Aqours」のメンバー9人などが描かれた駅舎壁面の装飾。3枚目のシングル「HAPPY PARTY TRAIN」のミュージックビデオで着ていたのと同じ衣装を身につけたキャラクターのイラストが壁面の大部分を占めるように飾られており、昨年7月23日の設置以降、イラストを一目見ようと大勢のファンが訪れる“聖地”の一つとなっていた。
市の条例によると、同駅周辺は屋外広告物の設置に一定の条件が課される商業地などの「第2種普通規制地域」に当たり、壁面広告の場合、大きさは壁面の総面積の5分の1か15平方メートル以下▽色は派手な原色以外-とすることが求められる。同装飾の総面積は40・0平方メートル。現状では大きさでも色でも条例に違反するため、同鉄道は窓ガラスの外側に掲示していたイラストを屋内側から張り付ける形に改め、装飾を“屋内広告”扱いとする対応を取った。
屋内広告の場合は市の条例による規制の対象外となるため、色や大きさについての制限はなくなる。同鉄道は張り替えに合わせ、イラストを別のものに変えたが、色は原色を使用しており、総面積も47・6平方メートルと逆に増えた。
同駅はアニメの主人公たちが自転車で訪れたことがある場所として有名で、同鉄道では同アニメのラッピング電車を走らせるなどして観光客の呼び込みを図っている。