文科・厚労両省の合同による「家庭と教育と福祉の連携『トライアングル』プロジェクト会議」は3月29日、第3回会合を文科省で開催し、同プロジェクトの報告を取りまとめた。教委と福祉部局、学校と障害児通所支援事業所などとの連携強化を図り、障害福祉サービスを利用する児童生徒や保護者の効果的な支援につなげる。
同会議ではこれまでに、教委と福祉部局が連携して、障害児と保護者へのサポート体制を構築している自治体や、障害者団体、放課後デイサービスなどを提供している団体などからヒアリングを行い、連携する上での課題や具体的な方策を検討してきた。
学校と放課後デイサービス事業所との間で、活動内容や担当者との連絡先が共有されていないなど、円滑なコミュニケーションが図られていない実態や、保護者にとっては、乳幼児期、学齢期、社会参加の各段階で相談窓口が分散しているために、必要な支援につながっていない問題が明らかとなった。
そこで、教委と福祉部局、学校と放課後デイサービス事業所との関係構築の場を設置し、個別の支援計画の活用促進などを図る。また、保護者支援では、相談窓口の整理や保護者同士の交流の場づくり、専門家による相談支援などを充実させる。
これを受け、文科省では、保護者や関係機関と連携した個別の支援計画の作成について省令を新たに規定。個別の支援計画を活用し、切れ目のない支援体制を整備する自治体への支援を行う。
厚労省では、2018年度予算で障害福祉サービス等報酬改定を行い、放課後デイサービス事業者などが、学校と連携して個別支援計画の作成などを行った場合の評価を、これまでは1年に1回だったのを1月に1回に拡充させる。また、放課後デイサービスのガイドラインの見直しにも着手する。
会議後の会見で、丹羽秀樹文科副大臣は「これをきっかけに教育と福祉がより一層連携し、保護者や子供の支援につなげていきたい」と、高木美智代厚労副大臣は「両省でしっかり情報発信をしていきたい。今後は医療ケア児や就労でも、文科省と連携を図っていきたい」と話し、同プロジェクトの成果を強調した。