ここまでで、1日の生産量は7万株以上で、重量に直すと合計で7トン。日本で植物工場の研究が始まったのは1970年代で、本格的に普及し始めたのはごく最近。そこに2年前に参入した企業が、一気に最大級の生産規模に躍り出たわけだ。しかも、これはレタス1株当たりの重さを100グラムと仮定した場合の総重量。実際の重さは110グラムまで可能になっており、さらに重くすることにも手応えを感じている。ふつうの植物工場のレタスが80グラム程度なのと比べ、重量でも数歩先を行く。
第6工場からは栽培を全自動に
この展開は、植物工場に先立ち、新規事業として始めたメガソーラーに似ている。バイテックの本業は電子部品の販売であり、ふつうならメガソーラーを1、2カ所造ったあと、太陽光パネルの販売をメーンにしそうなところだが、同社は発電事業者とパネル販売の両輪で事業を拡大した。植物工場でも、LED(発光ダイオード)照明などを売るために試験的に工場を造るメーカーと違い、バイテックは工場の運営そのものを事業の核にすえた。
ここまで見るだけでも、バイテックの植物工場事業がこれまでのスケールを大きく超えていることがわかるが、本題は実はこの先だ。同社は2月下旬、さらなる植物工場の建設計画を発表した。2019年に日産4万株の工場を2つ新設し、さらに2020年秋をめどになんと日産が10万株を超す第8工場を稼働させる。第8工場は石川県七尾市にある中学校跡地と場所も決まっている。すべてフル稼働すれば、日産は合計で25万株以上になる。
話はこれで終わらない。植物工場というと効率的なイメージがあるかもしれないが、既存の工場に限ってみると、「ビニールハウスでやっていることを工場の中に移しただけ」と表現されるほど、多くの人手がかかっている。人工光を使うことで天候に左右されない栽培環境はできるが、やっていることはほとんど手作業なのだ。これに対し、バイテックは2019年に造る第6工場からは栽培を全自動にする。これにより生産コストを引き下げ、自社工場だけでなく、植物工場のフランチャイズ展開にも着手する。
私は10年以上前からだったと思いますが、植物工場の重要性について主張してきました。
それは、1.生産過剰による無駄な廃棄を防ぎ、計画的に生産できること。
2.少子高齢化による農業従事者の減少に対応できること。
3.気候極端化下の天候不順による生産の不安定化を防止し、計画的に生産できること。
4.洗わずに食べられること。
5.全世界の食料問題の解決に貢献できること。
6.工場設備や運営ノウハウの輸出で国際収支を改善できること。
などです。
未だに植物工場の評価が定まらないことが残念でなりません。 バイテックには、国が全面的にバックアップしていくべきなのに、愚かなお友達ファースト主義の安倍首相を筆頭とする官僚も含めた政府や政治家には、先が見通せないのです。 既に国家財政が破綻している現状の日本は間もなく中国の資金力に負け食料調達もままならなく恐れがあります。 国民が飢えて餓死するという最悪のシナリオも覚悟しなければならなくなるような未来図は見たくありません。(2018/03/30 20:44)