KNNポール神田です!
2018年3月30日 (金)10:08 頃、1ビットコイン(BTC)が、70万円代にまで落ちた。
SNSの大手、twitterやfacebook、そして、Googleなどの仮想通貨関連の広告掲載を禁止発表が大きく影響を与えている。もちろん、日本の金融庁の行政処分発表などの影響度も大きい。むしろ、それよりも、投資にうごめく心理的な要因と日本市場ならではのトレンドが大きく影響しているのではないだろうか?
BTC1年間のチャートが何かに似ている…
この1年間を長期のチャート図でみてみよう…。
2017年12月の1ビットコイン=220万円代をバブルとして、このようなジグザグの乱高下を繰り返している。しかし、このチャートを見ればみるほど、何かの図に似ているような気がしてならない…。そう、戦後70年間の日経平均のチャート図だ。
『ビットコイン時間』は、日経平均の40倍のスピードで進む
この超長期の日経平均株価チャートをベースに、ビットコインの年間チャートを縦横比を調整し、重ねあわせてみた。
見事に一致とはいえないが、なんとなく悠久の日経平均の歴史が、たかだか1年弱のビットコインチャートに反映されているような気がしてならない。1989年のバブル期の3万円から、2000年のITバブルのピーク2万円までの約11年間がこのビットコインの3ヶ月に凝縮されているかのように…。
日経平均の約10年間が、ビットコインの世界では3ヶ月で進んでいると考えることができそうだ。つまり、『ビットコイン時間』は、日経平均タイムの40倍のスピードとなる。そう考えると日経平均の2015年の2万円代回復までの5年間は、ビットコインの時間では、1.5ヶ月以内と見ることができるかもしれない。しかし、これはあくまでも偶然の一致というレベルの信憑性のものだ。しかし、相場の乱高下の相関値が近似していることは否定しにくい。
ビットコイン市場は日本の影響度が強い
何よりも、ビットコインの取引の国別シェアで見ると、日経平均との近似性があってもおかしくはないことがわかる。
ビットコイン全体の本日の時価総額12.8兆円のうち、47.64%は日本円で取引されているからだ。
そう、ビットコインの乱高下の原因は、米国市場の変化への対応もあるが、日本国内での規制や行政処分情報が、ビットコイン市場へ及ぼす影響も多大なのだ。また、イーサリアム(ETH)はUSDの影響が強く、リップル(XRP)は韓国ウォン(KRW)の影響が強いなどのコインごとの特性もある。
社会全体、世界全体、仮想通貨全体のファンダメンタルズよりも、むしろ日本人投資家(投機家?)の心理的な要因がビットコインの市場価格に影響を与えているような気がして仕方がない。
そうバブルが10年ごとに起きる理由や、ネットバブルが4年周期に起きる、もしくはカオス理論の「バタフライ効果」のように、バブルはカオス的に繰り返される。
東証1部の時価総額が613兆円、日本のGDP546兆円である。それと比較するとビットコインの時価総額は、たかだか12.8兆円 東証1部の時価総額の47分の1のサイズでしかない。ビットコインの流動も価格もまだまだ経済にとっては赤ん坊レベルだ。だからこそこれだけ変動する。世界的に見るとニューヨーク市場は約20兆ドルで、東京市場は約5兆ドルの4倍である。するとビットコイン市場は、ニューヨーク市場の184分の1サイズと考えるとほとんど「誤差」のようなものだ。
しかし、ビットコインを発明した、サトシナカモトの4年毎にマイニングの報酬が半分になる埋蔵ルールは、確実に希少性だけは与えている。2012年11月、2016年7月に2度の半減期を迎え、2020年、2024年、2028年と4年毎にさらに半減していく…。むしろ、その頃になると、貨幣よりも乱高下の少ないより安定性のある「データ」の価値になっていてほしいと心から願いたいものだ。