売り越し過去最悪8.5兆円 海外勢の日本脱出が止まらない
東証が29日公表した部門別売買動向(3月第3週=19~23日)によると、外国人投資家は2599億円を売り越し(現物と先物の合計)、11週連続の売り越しとなった。
この間の合計額は約8.5兆円と、過去最大規模だ。
「データのある2003年以降で、売越額が8兆円を超えたのは初めてです。これまで最高額だった15年チャイナ・ショック時の7兆円をあっさりと抜きました。トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争の影響は無視できませんが、日本独自の問題が浮上しています」(市場関係者)
海外勢は日本市場の特殊性に嫌気が差したという指摘がある。
「外国人投資家など大口の投資家が大量に株を売却しても、日銀がETF(上場投資信託)を購入し、株価を下支えしています。海外勢には市場原理の働かない歪んだ市場に映ります。そればかりか、森友問題で文書の書き換えが発覚した。海外投資家は、日本は公文書が書き換えられてしまう国なんだと呆れています。そんな後進国に投資などできないというのが本音かもしれません」(海外投資家に詳しい投資顧問会社エフピーネットの松島修代表)