「やる気がない」と見られがちな私が内定を獲得するまで発達障害に特化した就労移行支援Kaien 修了セレモニーレポート #4
Kaien秋葉原の江川です。就職が決まり就労移行支援を修了される利用者のKaien流卒業式である「修了セレモニー」。シリーズ第4弾を、Kaien秋葉原よりお届けします。
本日ご紹介のNさんは、大学生の時に参加したガクプロ(発達障害(含・疑い)のある大学生向けの就活と仲間づくりのコミュニティ)でKaienに繋がった方です。その後Kaienの就労移行支援へ進み、就職活動へ取り組み始めました。しかし数十社の面接を受けても内定が出ず、また企業実習では「やる気がない」ように見えてしまうなどの評価による「壁」にぶつかっていました。
発達障害の告知を受けたときに心の支えになった大学生向けプログラム
約1年半前に、両親から、私が発達障害であることを告白されました。それまでは私は、大学生で一般枠として就職活動を続けていましたが、障害者として就職活動を続けることを選びました。まずガクプロに参加し、私と同じ大学生で発達障害のある方と話し合う機会が多かったので、そこで当時の想いを吐き出しました。
そして去年の4月から、Kaien秋葉原に通所を始めました。障害者枠で就職活動を再開し、何より実習で実務経験を繰り返しました。そしてついに、自分に合った企業から内定を貰いました。皆さんにお伝えしたいことは2つ。進んで面接練習を受けてほしいという事。企業実習でも「やる気」を持って取り組んでほしい、ということです。
こだわりを捨て自分を変えたら”見られ方”が変わっていった
Kaienでまず分かったのは、私が面接官とあまりキャッチボールが出来ていないということでした。面接練習を週二回ペースで行い、簡潔に、適切な受け答えが出来るよう、想定問答集を作り、伝わる言い方に直しながら何度も面接練習をしました。その結果、徐々に一次面接に通るようになりました。
もう一つ、実習先でも本当に働くつもりで臨んでほしいということです。Kaienに入るまでは実務経験がなかったので職場とはどういうものなのかほとんど知りませんでした。そこで企業実習で実務経験を重ねましたが、Kaienのスタッフからも実習先からも言われたことなのですが、印象が薄かった・働く気が無かった、つまり「やる気が無い」ように受け止められてしまったのです。Kaienでアドバイスを受けたことを最大限、次の実習先でアピールしました。その結果私は次の面接に進み、その企業から内定をいただきました。
私と同じように発達障害に悩む方々は皆何かに強いこだわりを持っています。私は不要なこだわりを捨て、リスクを厭わず変わることを学びました。これから実習を控えている方や就職できない現状に満足している方がいらっしゃいましたら、ご自分から内面を変えていき、それを表現していくことをお勧めします。
(Nさん 20代男性)
企業実習を通じて、第3者の視点で気づく「自分」
Nさんが今回の内定のきっかけとなった「やる気が見えない」というアドバイスは、実習先の企業担当者から頂いた言葉でした。実習の期間は3日間から2週間と企業によって様々ですが多くの場合、実習の最終日に振り返りのフィードバックを頂けます。実際の業務で仕事に対する姿勢や、どの程度自分の力が発揮できているのかなど、採用担当の視点を知ることができる貴重な機会です。
Nさんは、実習を通じて新たな自分の側面に気づき、真摯に改善を心がけていくことで内定を勝ち取りました。「これから上を目指していきます」と最後に言葉を残したNさんのキャリアは、まだまだ始まったばかり。これからキャリアを重ねるNさんを思うと楽しみです。