総務省が30日公表した労働力調査によると、2月の完全失業率(季節調整値)は2.5%で前月比で0.1ポイント悪化した。悪化は17年5月以来9カ月ぶり。総務省は1月に雪の影響で失業率が大きく低下した反動が出たとしている。厚生労働省が同日発表した2月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.01ポイント低下し1.58倍だった。
完全失業率は働く意欲のある人で職がなく求職活動をしている人の割合を指す。求人があっても職種や年齢などで条件があわない「ミスマッチ失業」は3%程度とされ、0.1ポイント悪化してもなお完全雇用状態にある。
就業者は6578万人で前年同月比で151万人増えた。有効求人倍率は12年9月以来、5年5カ月ぶりに低下したが、引き続き1970年代以来の高い水準にある。企業では人材の確保が難しく、人手不足が深刻になっている。求人に対して実際に職に就いた人の割合を示す充足率(季節調整値)は15.0%だった。
正社員の有効求人倍率(季節調整値)は1.07倍で前月と同水準で1倍を超えた。新規求人数を産業別にみると、自動車関連が好調な製造業で前年同月比5.4%増えたほか、3月が繁忙期になる運輸・郵便業で6.6%増えた。