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 データサイエンティストという新しい職業の存在を世に知らしめた、大阪ガス情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長の河本薫氏が2018年3月末で同社を退職することが、日経 xTECHの取材で明らかになった。4月1日付で、滋賀大学データサイエンス学部の教授に就任する。

2018年4月1日付で、滋賀大学データサイエンス学部の教授に就任する河本薫氏
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 同学部は2017年4月に新設されたばかり。河本氏は滋賀大からの熱烈なラブコールに応え、大学教授への転身を決めた。データサイエンス学部の創設2年目から合流することになる。

 滋賀大が河本氏に期待するのは、企業人として培ったデータ分析とビジネスの融合や業務改革の実体験から得たノウハウの伝承、著名なデータサイエンティストとして築き上げた豊富な人脈の活用などだ。河本氏は今後、大学教授の立場から産学連携を推進していくことになるとみられる。

 もともと河本氏は教育に大きな関心を持っていた。過去3年は大阪ガスに勤務しながら、大阪大学の招へい教授として「意思決定とデータ科学」という授業を受け持っていた。自身も勉強熱心であり、会社に通いながら大阪大学と神戸大学でそれぞれ博士号を取得している研究者としての一面があった。これからは大学教授として、教育と研究に専念する。

 河本氏は2018年3月19日にNHKで放送された番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の新しい仕事スペシャルで取り上げられたばかり。時の人として、ますます河本氏に注目が集まるなかでの転職には驚きが広がりそうだ。一方で、河本氏と連携したい企業にとってはチャンスが広がる可能性がある。

 なお、河本氏の後任となるビジネスアナリシスセンター所長には、これまで副所長を務めていた大阪ガスの岡村智仁氏が就く予定だ。