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他にもまだまだありそうだけど、とりあずこれだけで。なかには日本スゴイ!に含まれないものもあるが、タイトルを見るに、やはりサブカル系評論本の類って3.11以後、急速にスピリチュアル自己啓発化していった感じがある。特に福島第一原発事故をどう捉えるかが、サブカル系批評における一種の踏み絵みたいになっていて、なんというか、原発事故の記憶そのものを、あくまでも内面の問題に押し留めて、それ以上広げたくないかのような感じが見て取れる。
だから、彼らがよく反原発市民運動を「自分探しだ!」って批判するのも、ある意味それは自己投影というか、知識人やインテリこそ、3.11と原発事故によって、それまで積み上げてきた言説や思想を粉々に打ち砕かれて、自我崩壊を起こしたのではないかと思う。それでも、3.11から1~2年経っていない時点で、「希望」とか「AKB」みたいな単語が並んでいるのもアレだと思うが。けれども、反イデオロギー的な言論人に求められていたのは、震災直後の混乱の中で、とにかく未来への楽観を煽ることだったのかなと思う。まあ、結局、それが安倍政権的なものと合流して、いろいろと悲惨なことになってしまうわけだが、当時としては、しょうが無い面もあったのは、事実かもしんないけどね。
しかし、人がどういう本を読んでどういう自我を形成するかは勝手だけど、こういう本ばかりを読んだ人間がどうなるかは、想像するとちょっと寒くなるんだけど。