沖縄ツーリスト(OTS、那覇市、東良和会長)は4月1日から、那覇空港とOTSレンタカー臨空豊崎営業所(豊見城市)を結ぶ路線バスを運行する。空港に到着した観光客が、レンタカー営業所に向かうために送迎バスを長時間待っている現状を踏まえ、混雑解消を目的に事業化を決めた。路線バスの運行は、全国のレンタカー事業者で初めての取り組みという。
レンタカー業界で全国初 一般客も利用可能
停車場所は、那覇空港の国内線ビル沿いにある1番バス乗り場、国際線ビルのバス乗り場、OTSレンタカー臨空豊崎営業所の3カ所。どの場所にも30分間隔でバスが来るように、1日12往復運行する。
時間帯は、空港の到着客の多い午前8時から午後2時40分まで。現在走らせている送迎バスと併せて巡回し、利用者の待ち時間を減らす。
料金は、OTSレンタカーの利用者は無料。ホテル宿泊客や近隣住民などの一般客は、大人250円、子ども130円で乗車できる。
路線バスは大型リムジンタイプで座席数は40~45席。運行は那覇バスに委託する。
県によると、レンタカーを使う観光客は国内客の6割、空路外国客の3割に上る。2016年度の県の調査では、夏場の待ち時間は最大60分。送迎バスの停車帯にできた行列が約470人に達し、車道へあふれ出す場面もあった。利用者のストレスは大きく、約4割が「不満」と回答した。
県は、レンタカー利用者の不満解消を目的に昨年8月、一括交付金を使った路線バスの実証実験を実施。豊崎にあるOTSとオリックスレンタカーの2営業所と那覇空港を1日44往復、約10分間隔でピストン運行した。
同区間には路線バスがないため、観光客だけでなく県民の乗車もあった。利用人数は1日当たり平均677人。OTSは実証実験を受け、路線バスの運行を検討していた。