benromach10_今回は、スペイサイドモルト、ベンロマック10年を飲んでみます。

ベンロマック蒸溜所は、フィンドボーン川下流とバーン・オブ・モセットに挟まれたフォレスという街に存在します。
厳密に言えばスペイサイドではなくハイランドに属する地域ですが、蒸溜所側はスペイサイドだと名乗っています(フィンドボーン川の上流にはハイランドモルトのトマーティン蒸溜所があるので、なおさら違うだろ、とツッコミを入れておきます)。

蒸溜所自体は1898年に設立されましたが、まもなくして資金が尽きて操業停止に追い込まれました。
1911年に別の会社が買収し、操業が再開され、以降はいくつかの企業の手に渡りましたが、1983年に閉鎖されてしまいました。

しかし1993年、ボトラーとして指折りの企業であるゴードン&マクファイル社が蒸溜所を買収、1997年より本格的に操業を再開しました。
それまで、ベンロマック公式のシングルモルトが殆ど売られていない状況で、ゴードン&マクファイル社は2009年に、オフィシャルボトルとしてベンロマック10年をリリースしました。

この10年物では、熟成にシェリー樽とバーボン樽を使用、後熟にオロロソ・シェリー樽を使っているそうです。

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は中庸な琥珀色、香りは青リンゴの奥にピートを感じます。

口に含むと、香りとしてスモーキーなピートとアルコールの刺激に続いて青リンゴ、レモンの爽やかさが続きます。
味わいはアルコール由来の辛さのあとに苦みが訪れ、後から酸味が続きます。

ロックにすると、青リンゴとレモンが前に現れ、ピートは少々抑え気味になります。
味わいは酸味が強めとなり、奥から軽い甘みも感じられます。

最後にハイボールにすると、ピートと共にレモンの爽やかな香りが訪れます。
味わいは軽く酸味を得られる印象です。

全体的にみると、シェリー樽を使っていながらも、レーズン、ブドウの香りはあまり感じられず、むしろピートからのスモーキーな香りと青リンゴ、レモンの爽やかさが印象的でした。
スペイサイドモルトの多くがノンピートモルトで癖の少ないボトルが多い中、ベンロマックはしっかりとした癖を持つボトルになっています。

700mL、アルコール度数43度、価格は5000円ほど。

<個人的評価>

  • 香り B: ピートからのスモーキーな香りがしっかり。その他、青リンゴ、レモンが主体。
  • 味わい C: ストレートではアルコールがきつい。加水で酸味が主体になる。
  • 総評 B: スモーキーで新鮮なボトルが欲しい人にはうってつけ。